悩みを抱えたら、最適解を見つけて解決していくことが有効です。最適解とは、より“メリットがあり論理的な答え”のことです。100%の正解がない大人の世界では、最適解こそ現実的で効果がある答えになります。その最適解を見つけ出すのに必要な「反論の技術」について、論理競技王者の太田龍樹氏が教えてくれました。

※本記事は、太田龍樹:著『一番いい答え- 絶対後悔しない最適解の見つけ方 -』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

反論要素を考えることで「最適解」に近づく

「一番いい答え」=「最適解」を導き出すためには「反論の技術」を使うことが有効です。

反論には2つのコツがあります。

1つ目は「保留条件」を見つけること。つまり「もし、〇〇でなければ」と考えてみることです。これは、物事の決定を延ばしたり、止めることに有効です。

2つ目は「例外」を見つけること。これは「〇〇は当てはまらない」というような、適用できない状態を考えてみることです。わかりやすい例で紹介していきましょう。

「持ち家にすべきか、賃貸住宅にすべきか?」と悩んでいるとします。

あなたはこの悩みに「ローンを支払えば自分の財産になるから」という事実と「自分の財産になるので、払い損がない」という理由から、持ち家にしようと結論付けたとします。これに対し、保留条件や例外を示すことで、自分の意見を支える事実・証拠・理由に揺さぶりをかけ、反論していくのです。

「もし、〇〇でなければ」で、保留条件をあぶり出してみます。この場合「もしも自分の所属している会社が倒産しなければ」となります。「長い期間、毎月の給料ならびにボーナスで返済できる保証はない」といったような保留条件を突きつけることができます。

「〇〇は当てはまらない」といった“適用できない状態”もあぶり出してみます。

「自分の財産になるので、払い損がない」ということに対して「払い損がないとは言えない」「払い損になる」という結論から反論を考えてみましょう。

この場合で言えば、たとえば「少子高齢化社会である日本では、不動産価格が下落することで払い損になる可能性は高い」といった例外を用意できます。

こうした2つの技術による反論を乗り越えられる答えは、より強い最適解となります。

今回は、持ち家派の意見に対して反論してみましたが、賃貸物件に住むにしても、反論の余地はあります。どちらにするにしろ、自分の置かれている状況、自分が持っている情報を考慮しながら、自分にとって、よりメリットがあり、論理的であるほうを選ぶことが大切です。

▲反論要素を考えることで「最適解」に近づく イメージ:PIXTA