二次元コンテンツへのこだわりは耳から攻める!
――変わることを恐れない社風。思わずメモをしたくなるフレーズですね。ほかの電子書店さんとの違いなどありますか?
DL山田 電子書店という形でインタビューを受けさせてもらっているんですが、DLsiteは二次元コンテンツの総合ダウンロードサイトとなっていて、電子書籍のほかにゲームや音楽、あまり聞きなれないかもしれませんが、バイノーラル録音という手法で収録されたボイスドラマも多く取り扱っているんです。
バイノーラル録音は、人が音を聞くときの環境を模して収録していまして、この方法で収録された音をイヤフォンやヘッドフォンで聞いていただくと、あたかもその場にいるかのような臨場感を味わうことができます。ちなみに、この収録に使われるマイクは人の頭を模したものが多く、ダミーヘッドマイク、通称“ダミヘ”と呼ばれているんです。
こうした環境で作られたボイスドラマ作品は、視聴者を作品により深く引き込み、心地よさを味わっていただけるようになっています。この心地よさを味わうことができる作品が“ASMR作品”と呼ばれています。
――初めて知りました!
DL山田 頭の中に埋め込む感じですね。右側から音声を感じるとか、後ろ側からとか。頭があることによって聞こえ方が変わるので、反射した音みたいな形で多方向から聞こえて、それがまるで隣でささやいているような臨場感を可能にしているんです。仕組みは意外とたいした感じではないんですが(笑)。
――自社で制作もされたりするんですか?
DL山田 「DLsiteスタジオ」という収録環境が自社にあります。たとえば、弊社の電子書籍チームで収録をやりたいとなったときも、スタジオを使って収録したりしてます。ぜひ御社でもいかがでしょうか(笑)。
――やってみたいです! 最近はASMRも一般的に知られてきましたしね。
DL山田 そうですね、YouTubeとかで浸透して広まりつつあるのかなと思います。
ウチは尖った作品が良く売れます(笑)
――DLsiteさんだから売れてる本、というのはありますか?
DL斎藤 そうですね、ウチで売れるのはこういう作品だ! というのが難しいのですが、いわゆるニッチジャンルといわれるような尖った作品が良く売れますね(笑)。これは、デジタル販売が普及する前からサービスがあることや、書籍・漫画以外のコンテンツも取り扱っているので、いろいろな嗜好のユーザー様がサイトを訪問されているのではないかと考えています。
――その長い歴史があるからこそ、DLsiteサイトさんに行けば必ず見つかる! みたいな安心感があるんでしょうね。
DL斎藤 最近売れたなと思うのは、やはり異世界系やファンタジー色の強い作品なんですけど、そのなかでも貞操観念が逆転するっていう作品がありまして。男が抱いている女性に対する清純性みたいなもの、逆に女性からしたら、これってセクハラだよな、みたいな。それが男女逆転して、女性がセクハラするみたいな感じの作品が売れていますね。これはウチならではなのか(笑)。
DL山田 トランスや女体化はエロだと定番というか人気なので、そこから波及して一般でも人気になっているというのがありますね。
――なかなか、深い……ですね。普段のお仕事など教えていただけますか?
DL斎藤 私の場合は、売上やチーム全体を管理している立場で、販売責任者というポジションで仕事をさせていただいています。売上集計もそうですし、先ほどと重複してしまうんですけども、どういった施策でユーザー様に作品を届けたら売れるのか、トップページやサイトの見せ方をどのように変えていったら一番最適化できるのか、などを考えながらやっている感じです。
――DLsiteさんは一般向け、成人向けなどジャンルが多いので、施策を考えるのは大変そうですね。
DL斎藤 そうですね。でもチームメンバーはオタクが多いので、新しいワードや作品がわからない……ということはないです(笑)。
DL山田 ちなみにDLsiteでのユーザーランクというか、これは購入額とかいろんな指標を考慮しているんですが、その最強ランクに入っている社員がたくさんいます(笑)。
――え! 自社サイトの上位ランクユーザーって、すごいですね。社員の鏡です(笑)。