仕事のスタイルを変革する機会と考える

私自身は以前、上海で日本企業の駐在員(製造業で工場長)をしていましたが、2013年に独立し広東省深圳に移住しました。当時はブログ『小龍茶館』でのアフィリエイト収入が本業の収入を超えるくらいになっていたので、それで生きていけましたが、それだけではいずれ行き詰まると考え、ブログ上で複数のサービスを始めていました。

そのうち2つのサービスは、国際間でのモノの移動が発生する業務で、自分がその運搬をしなければなりませんでした。しかし1年間、深圳に住んだことでさまざまな人脈ができ、ちょうど1年後の2014年からは「モノを扱わないサービス」に完全移行し、基本的にオンラインで仕事ができるようになりました。

おかげで世界中どこにいてもネットさえあれば仕事ができる環境、つまりノマドでも生きている環境を整えています。ただ、基本的に家族が中山市にいるので、これまでもほとんどの時間は自宅で過ごしていました。コロナ禍が訪れても、基本的にその生活スタイルを変えずに過ごすことができたのは助かりました。

コロナ禍による問題は、これから東南アジア各国にサービスを広げていきたかったのですが、それができなかったこと。また人の移動が少なくなったことから、BtoBとBtoCのビジネスの売上げが一部落ち込んだことです。

個人的には、これまで構築してきたノマドでもOKな仕事のため、あまり生活スタイルは変わらず、4月以降はあまり危機感もなく、のほほんと暮らしているのが現状であります。8月からはゴーカートにはまって、週に何回か練習に行き、広州のカート場で行われているレースにも参加しました。

日本の家族に会えなくなっているのが寂しいですが、たまに動画チャットなどでコミュニケーションをとっています。日本でマスクが不足していた2〜3月頃には、20万枚ほどのマスクを学校や医療機関などに送ったこともありました。祖国日本のこともやはり気にはなっているのです。

私の場合は、新型コロナの前にこのスタイルを確立できてラッキーでしたが、特殊な仕事内容であることもあって、どなたにもできるものではないと思っています。

とはいえ日本でも中国でも、人々の往来が難しくなった新型コロナを一つのいい機会だと捉えて、できるだけデジタル化やオンライン化を進めて、仕事のスタイルを変えていく変革を前倒した方がいいのではないかと感じています。

▲まだあまり外出がままならない頃に、ケーキをマンションまで届けてくれた着ぐるみを着た配達員と私

最後に皆様のご健康とご多幸を祈っております。 


奥野竜太郎(小龍)
香港小龍科技有限公司代表。Apple関連ブログ「小龍茶館」の中の人。中国歴足かけ20年以上の日中バイリンガルでプチ投資家。中国ネット規制回避ツールの「1coinVPN」やiPhone SIMロック解除「ファクトリーアンロックサービス」を運営。これまでやってきた仕事は、ものづくり・貿易・音楽コーディネート・日中通訳翻訳など。NPO法人日中児童の友好交流後援会の理事も務める。ゴーカート好きで猫を2匹飼っています。