DVDで恥部を見せる感じもロッチっぽいかな(笑)

――そんななか、今回の単独で印象が強いコントはありますか?

コカド 単独ライブなので、スベったネタもDVDに入ってしまうっていうのが恥ずかしいというか。『WASABI』っていうのがね?

中岡 あははは! 何十回も単独をやるなかで、1日目にあんまりやったなぁと思ったコントは、ちょっと変えて2日目にやるとよくなることがあるんですけど、今回の最後にやった『WASABI』は何をしてもウケなくて。

コカド コントによっては1日目に(観客の)反応がよくなかったら、他のコントに変えたり、なくしたりもできるんです。けど、オープニングとつながってたので変えようがなくて。ライブやったらその場で終わりやけど、永遠に残るDVDで恥部を見せる感じ……痺れますねぇ(笑)。まぁ、ロッチっぽくていいかなとも思いますけど。

中岡 信じられないですけどね。何回、単独ライブやってるねんとは思いますけど、まだまだスベるんですよ、僕ら(笑)。(収録されてるのは)3回目のヤツで、1日目に“なるほど、ここが伝わらへんかったんや”と思って、伝わるようにしてたのに2日目もウケなくて、アドリブも入れるしかないなと思って加えたヤツなんでめちゃくちゃ。僕らもスベってることを自覚しながらやってます。

コカド 副音声では、なんでスベったかについてお話ししてますので、そちらも聞いてもらえれば。『キングオブコント2015』〔注:ファーストラウンドのコントで優勝目前となりながら、ファイナルラウンドで失速してしまった〕でもそうでしたけど、僕ら、ほんまにスベるんですよ。そういう安定感のなさが、ロッチの特徴です。

――(笑)。今のお話を聞いて、コント中のおふたりの表情をもう一度確認しようと思いました。

コカド ははは! 10年前、ジャルジャルに「ロッチさんは安定感がないですね」って言われたんですよ。

中岡 あぁ、言うてた! 福徳がね。

コカド 言うてたよね? 当時はそんなんわからんやんけって思ってましたけど、ほんまにそうでした(笑)。チャンピオンになるヤツは凄いですね。

――おふたりにとって、単独ライブはどんな位置付けですか。

コカド コンビを組んでから、唯一変わってないことですね。僕らはもともと吉本にいたんですけど、お笑いを始めた当時の先輩が千原兄弟さんやジャリズムさんで。単独ライブをやってる姿がかっこよくて、僕らもやりたいなって思ってました。やっぱり単独ライブって、もの凄く特別なものなんです。芸人になったら、単独ライブをやりたいっていうのはあったしね?

中岡 たしかにね。なんかかっこいいでしょ? 長くコントをやってる人たちって。

コカド それに、テレビでネタができるのは番組で1本。単独は1回で何本も見られるし、自分の好きなコントを見つけてもらえる。全部嫌いっていうことはなかなかないやろうから、1本でも好きになってくれたら、僕らのことを来る前より好きになってくれてることになるじゃないですか。僕、ほかの人の単独を見に行くのも好きで。映画やお芝居……見るものっていろいろありますけど、芸人の単独ライブを見に行くのがいちばん好きですね。

ロッチさんへのインタビュー記事は、2月12日発売の『+act. (プラスアクト) 2021年3月号』に全文掲載されています。