2010年のショートネタブームから注目を集めて以降、今もなおメディアで活躍し続けるロッチ。コンビ揃ってのバラエティ番組出演ほか、ボケの中岡創一は超人気番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)が話題となっている。
コントの実績も十分で、日本一を決定するコント頂上決戦『キングオブコント』では3回ファイナリストに。毎年、単独ライブも欠かすことなく開催している。そんなふたりのコンビ結成15周年となる2020年に行われた単独ライブ『銀座ロッチ』のDVDが発売中だ。新ネタ9本のなかには『キングオブコント2015』で高得点を獲得した「試着室」の2020年バージョンも収められている。
このインタビューでは、昨年の単独を振り返ってもらいつつ、コンビを組んだ当初についても振り返ってもらった。
※本記事は『+act. ( プラスアクト )2021年3月号』(ワニブックス:刊)より、一部を抜粋編集したものです。
単独ライブを喜んでもらえるのが嬉しい
――昨年は新型コロナウィルス拡大の影響もあって、いろんな方の単独ライブが延期や中止となっていましたが、無事に開催できてよかったですね。
コカドケンタロウ(以下、コカド) 時期的に、秋やったのがよかったですね。ひとつずつ席を空けてお客さんを入れるっていう状態でしたけど、状況を見ながら開催する方向で進めていました。
中岡創一(以下、中岡) 僕としては結果がどうであれ、コカドくんにネタを作ってもらう作業だけは進めといてもらおうと思っていました。
コカド ネタを作ることに関しては、普段より時間があったので、単独ライブだけを見れば自由にできる時間があったことはよかったというか。(緊急事態宣言中は)朝起きて散歩して、昼までにネタを作ってご飯を食べるのがローテーションになってましたね。
――普段だと、単独開催のどれくらい前からネタを作り始めるんですか?
コカド 3ヵ月前くらいかなぁ。なんとなくタイトルを決めてネタを考えて、2ヵ月前からみんなで集まってがっつりとやり始める感じですね。今回は早めにネタを考えてはいたんですけど、世の中の雰囲気がどんどん変わっていったじゃないですか。コントって生ものやから、時間が経つと鮮度が落ちるというか。これ笑われへんのんちゃうか、みたいなものが出てきそうやなと思ったので、途中で考えるのをやめました。
最初は時間があるから今年の分も作ろうと思ってたんですけど、この先どうなってるかわからへんから、それもやめましたね。で、できるだけ早い段階から、中岡くんと一緒にネタを作ったんですよ。例えばネタの完成を100%として、僕が20%作ったものを見せても、その20%は中岡くんの中にないじゃないですか。初めから一緒に作ったほうが全て理解してもらえるし、スムーズやなと思ったのでそうして。
中岡 だいたいネタは、いつもコカドくんが作ってくれるんですけど、今回は作ったものを渡されるというより、例えば試着室のネタやったら、試着室に入らんとずっと外で着替えようとするヤツ、みたいなことを最初に言われて。そこから(制作スタッフと)みんなで集まって、こんな脱ぎ方はどうだとか言いながら作ったんです。普段からそういう感じではあるんですけど、今回そういうやり方が多めだったような気もします。
――DVDを拝見しましたが、今回収められているコントでは中岡さんが動いたり、会話で先導していったりみたいなものが多かった印象がありました。
コカド 2016年からかな? 中岡くんの動きとかを想像しながらネタを作ることが多くなって、より“あて書き”っぽくなっていったんです。そのくらいから、中岡創一っていう人はこんなことする人やっていうのが世間に認知されて。中岡くんのこんな姿が見たいっていうものが強くなってきたというか、みなさんが思っている中岡くんから範囲を広げたほうが、ある程度ウケやすくなってきたという影響があったかもしれないです。
中岡 今までいろんなコントをやってきたんですけど、僕っぽいものじゃないと合わせられないっていうところもありまして(笑)。シュッとした人になってって言われてもできないし、僕らって女の人を演じるコントが少ないのは、僕が自分とかけ離れたことをするのが苦手やからなんですよね。僕だけじゃなくコカドくんもそうなので、いろんなことをやっていくうちに(自分達に合っているやり方が)絞られてきたような気がします。
コカド そうですね。自分たちにできることをやろう、というのはあったかもしれないですね。