アルバム『ナノ・ストーリー』の発売をもって、声優アーティストとしての活動を開始する堀内まり菜ちゃん。今回のインタビューでは、ついにリリースとなったアルバムの解説をお願いしました。アルバムに込められた彼女の思い、世界観を感じてみてください!!

主人公“ナノ・ハナ”は高校生の自分をイメージ

――『ナノ・ストーリー』について聞いていきたいと思いますが、最初にどんなアルバムを作ろうと思ったのか、教えていただけますか?

堀内 自分の中で1つ1つの曲がつながって、1つの大きな物語になるような、そんなアルバムを作りたいと思っていました。最初に『ナノ・ハナ』という曲ができて、この曲がアルバムの1曲目なんですけど、アルバムを通して物語の始まりになるような曲になっています。

――ナノ・ハナ……“菜の花”というのは、まり菜ちゃんを投影しているんですか?

堀内 そうですね。高校生のころ、歌詞を書き始めたころの自分をイメージしています。ずっと変わり映えのしない世界にいて、このままだと枯れてしまうって思っているんです。夢見ている世界、理想はすごくあって、そこに向かって羽ばたいていきたいけど、どうしていいのかわからない。でも、信じて先に進んでみようかなって思い始めているという、過去の自分の気持ちを歌った曲です。

――2曲目は『バイオリン幻想曲』。

堀内 私が12歳のときに、初めて舞台に出させていただいた『金色のコルダ』の世界観が、今でも頭の片隅に残っていて。舞台で私はバイオリンの妖精役を演じたんですけど、その妖精は周りを励ましてくれるキャラクターだったんです。なので、この世界でもナノ・ハナがバイオリンの妖精に出会って、別の世界に連れて行ってもらう、その姿をこの曲で描いています。

――アルバムを通して描かれている世界観が、さくら学院のまり菜ちゃんのときのイメージから何も変わっていなくて、すごく素敵なんですよね。

『アップトゥボーイ』で一度、先輩の武藤彩未ちゃんと2人でグラビア撮影をさせていただいたことがあったんですけど、舞台は学校なのに、彩未ちゃんとまり菜ちゃんは白ワンピースの天使の恰好で。制服じゃなくて、天使の恰好をさせてしまう、そんな不思議な力が、まり菜ちゃんにはあって。あのころのまり菜ちゃんって同じ撮影現場にいて同じ空を見上げているのに、まり菜ちゃんには雲が綿あめに見えているような、そんな夢見る少女に思えたんですよ。

あれから随分と月日は経ちましたけど、曲の世界観がまさに当時の感じで、“まり菜ちゃんらしいなぁ”と今、猛烈に感動しています。

堀内 あはは(笑)。たしかに夢見てたっすね(笑)。

――夢見てたっすか(笑)。

堀内 見てたっす(笑)。

――そのまま夢の続きを解説してもらいたいのですが(笑)、次の曲は『ねぇ星よ』。

堀内 バイオリンの妖精さんに新しい世界に連れて行ってもらって楽しいんだけど、気がつくと周りは暗いし、心の中にモヤモヤしたものを感じてしまって、という……。

――これも、実体験に基づくお話ですか?

堀内 はい。求めていただけるのは楽しいし、やりがいもあるけど、同時に苦しいとも感じるところがあって。どうやったら、この苦しみから解放されるんだろうかって、心の中でSOSを出している、そんなときの気持ちを歌った曲です。

――その次が『空っぽの私』。そうやって悩んでいるうちに、朝が来るんですね。

堀内 そうです。また朝が来ちゃったから駆け出したいんだけど、完璧にやらなきゃって思ってたら進めないから、1回何もない状態でもいいから、とりあえず踏み出してみようっていう。“ゼロでいいじゃん、空っぽでいいよ”っていう。

――そこから『ふぅ』というインストゥルメンタルを挟んで『優しい人』へとつながって。

堀内 『優しい人』も私の実体験からできた曲です。仲良くなりたいな、近づきたいなって思ってて、でもちょっとしたすれ違いでお互いに傷ついてしまって、という……。

――この曲では“味噌汁何杯飲んできたのさ”っていうフレーズに目を奪われました。それぐらい、まり菜ちゃんにとって味噌汁って毎日飲む大切なものなんだなって。

堀内 毎朝、絶対に味噌汁は飲みますね。主食がパンだとしても味噌汁は欲しいっす!