外国人だからこその苦労

▲外国人配達員には「日本語」もひとつの壁になる イメージ:PIXTA

ウズベキスタン語・英語・ロシア語を話せるベックさんだが、日本語となると私との会話は、なんとかコミュニケーションが取れるレベル。

「受け渡しはビルの入り口で」とか「商品をドアの前に置いたら、到着の合図としてインターホンを必ず鳴らしてください」といった注文者からの細かい指示は、日本語でされることが多いのに、どのように対応しているのだろうか?

「わからないことがあったら、サポートセンターに電話をします。英語を話せるスタッフさんが多いので、なんとかなっています。あと、注文した人に直接電話することも多い。このあたりでウーバーイーツを利用する人は、簡単な英語なら話せる人が多いよ。自分が住んでいるところでやったこともあるけど、配達先に電話しても英語が話せない場合が多い。だから渋谷は働きやすい」

週28時間フルで働くとして、月112時間の労働。時給1100円で換算すると123,200円だが、彼はその倍近くをウーバーで稼いでいる計算だ。二十歳そこそこの彼らにとっても、決して少なくはない金額だろう。笑顔で語るのもうなずける。

最後に、配達中のトラブルや困ったことについて聞いてみた。

「配達先へ行ったら留守で、10分間待機しましたが、連絡がなかったので『(注文者不在による)配達完了』となりました。料理は配達員がもらえるというシステムなのですが、運んでいたのは豚キムチ丼。私はイスラム教徒ですので、宗教上の理由で食べることができません。渋谷で配達中の私の友達も食べられないので、仕方なくリュックの中に入れっぱなしで配達を続けました。そしたらクレープを頼んだ人から『商品が破損していた』という理由でBAD評価をつけられました。渡したときに見た目は問題なかったので、おそらく商品にキムチの匂いがついていたのでしょう。残念です」

私が豚キムチ丼をもらえたら「食費が浮いた!」と大喜びしますが……外国員配達員には言葉以外にも、食べ物を運ぶ仕事だからこその問題があるのですね。

勇気をだして聞いてみたら、いろんな発見があったので、機会があったら、今度は女性の配達員の方にも話を聞いてみたいと思います。ま、中年の太った男が声をかけて、話を聞いてくれる女性は少ないと思いますが。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は、3/5(金)更新予定です。お楽しみに!!