怒りの矛先を向けられる配達員

▲かなり稼いでいる外国人もいるにはいる イメージ:PIXTA

以前、外国人配達員に話を聞いたとき、4時間で1万円ほど稼げるなんてことを聞きましたが、あれはピークの時間帯に、渋谷や新宿といった大都市で働いたときに稼げる金額。

彼らは、ビザの関係で労働時間が週28時間に制限されているので、一番おいしい時間帯だけ働くから4時間1万円になりますが、おいしい時間帯だけ働くやり方では、毎日働き続けて最大で月30万円。配達員の収入は、税金や保険料を天引きされていませんから、やはり専業配達員でやっていくのは厳しいかと思います。

またウーバーイーツでは、ある日突然ルールが変わり収入がガクンと下がる、といったことも起きています。先日も、京都や福岡の配達員の収入がいきなり3割ほど減るようなルール変更がありました。

ウーバーイーツ側は配達員を、労働者ではなく配達員アプリの“いち利用者”と捉えているので、不当な賃下げであっても働く側の権利は守られないのです。

配達員の社会的な立場が年々悪化しているのも気になります。ウーバーイーツの配達員がマクドナルドの前にたむろして通行の邪魔になっている様子や、配達中に信号無視をするシーンがテレビのニュース番組で紹介されたり、SNSで動画がアップされるのをよく目にしますよね。

なぜでしょう? こういう映像が浸透すると「ウーバーイーツ配達員=怒りをぶつけてもいい」と考える人が増えるので不思議です。私も以前、店まで料理を受け取りに行っている途中で、いきなり背負っているリュックにパンチを入れられたこともありました。どうかしています。

▲世間から格好の餌食とされるウーバー配達員 イメージ:PIXTA

道を歩く人たちの邪魔になったり、交通ルールを無視するのはよくないこと。ですが、全ての配達員がそのようなことをしているわけではありません……と言い訳をしても、刺激の強い言葉を並べた方が目立つSNSの世界では、感情的な言葉を連ねる発言に注目が集まってしまいがち。

東京都では、自転車配達員に背番号をつけようという案も出ているようで、自治体が「自転車配達員=運転マナーが悪い」とお墨付き(?)を与えたら、近い将来、配達員というだけで酒に酔った人から絡まれる事件が起こるかもしれません。

というように、将来性について考えると、お先真っ黒に感じてしまいますが、副業としてやるなら最高の環境だと個人的には考えています。

ちょっとした空き時間に仕事ができて、時間がかかりそうな仕事だったら引き受けなくてもいいという働き方は、本業がある人にとってはとても魅力的な条件。私の経験上、一般的なアルバイトより実入りが少なくても、ストレスが少ないといえます。

また、お金は週払いなので金欠になったとき、とにかく便利。自転車で配達したらいい運動になるので、副業OK、テレワークで自分の時間が増える、家から出ず運動不足、という今の世の中では最高の副業かと思います。

私の結論としては「新型コロナで仕事が無くなったからウーバーイーツで働こう」と考えている人は、配達員は“つなぎ”、ちゃんとした就職先を探すという考えを持って配達員をすることをオススメしますが、いかがでしょうか。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は、4/23(金)更新予定です。お楽しみに!!