名酒と自家製塩辛の無限ループ

▲刺身がきました

しばらくすると刺身が到着したので、酒を片手に乾杯。ぷっはー! と言いたいところだけど、びっくりするくらい酒が濃かった。どれくらい濃いかと言うと、酒を入れすぎて、炭酸が入らないから、シュワッと感がほとんどない。

次の人の注文を見ていたら、氷を入れたグラスの8分目くらいまで酒を注いでる。でも、価格は一般的。これはもはや、逆ぼったくりとしか言いようがない。あるいは前世で犯した罪を償おうとしているのでしょうか。

▲うん、うまい

確かに刺身がうまい。新鮮だし量も多い。そして私は濃いめのハイボールと刺身が意外と合うことを発見します。酒は濃くないと飲んだ気がしないタイプの私は、どんどん嬉しくなってきました。これはきっと店主からのラブレター。飲める人は楽しんでくれというね。ここはきっと酒飲みの天国なんです。

▲これはトイレの鍵だっけな

私が入ったときは、店内には常連さんらしき男性が一人。日本酒を静かに傾けてね。きっと仕事帰りなのかな。のんびりと会話を楽しみながら、くつろいでいるから、最初は店のオーナーなのかと思ったら全く違った。

でも、若い女性がいる店と聞けば、緊張して居住まいを正してしまいそうになるけど、こちらは実家にも似た安心感が漂っているんです。これは大井町という街の持つ空気と無縁じゃない気がするんですよね。大井町の駅を降りると、なんだか安心する人は少なくないと思う。

▲嬉しそうな顔で日本酒を差し出す店主

そしたら「うちは日本酒の店」だっていうわけです。見ればうまそうな日本酒がたくさん置いてある。なるほど。だから年配の男性も安心して長居できるってわけか。

店主のこだわりの酒が常時たくさん用意されているようで、私はこんなとき基本的に任せてしまいます。左の赤いボトル「水鳥記」を出してくれるということで「これに合う、つまみ」を頼んだら自家製の塩辛が出てきました。

▲こんなコンビを目の前に置かれたらたまりません

痛風家の心を捉えてはなさないこのコンビ。飲む前から私の足が疼きだしたのがわかりました。これは鬼太郎のアンテナと一緒で、うまいものを見つけたときのサインなわけです。そりゃうまいに決まってる。だから食べる。痛みなんか知ったこっちゃない。痛みが出たら酒をガバガバ飲めば、きっと消えてなくなるに違いない。さあ飛び出しましょう、無痛の空へ。

▲口の中で幸せがはじけています

くふう。酒を一口、そして塩辛を一口。口のなかで臭みにも似た風味が、さーっと広がったあたりで酒を一口。イカの旨味にかぶさる酒の旨味。口のなかで痛風ゴロシのセッションが始まりました。

酒を飲む、つまむ、飲む、つまむ。餅つきのようなスピードで杯を重ねると、ああ、幸せだなって思うわけです。

うまい酒を飲めることに勝る幸せはないと、私は断言できる。だから健康には気をつけなくっちゃね。というわけで今日はこの辺りにしておきましょう。お会計をお願いしますね。

痛み始めた足を引きずって、さて次はどこの街へ行こうかしら。

▲こんな可愛いらしい張り紙も

『立ち飲み・マイ・ラブ♡ - 痛みに負けるな!-』は、次回5/7(金)更新予定です。お楽しみに!!

<店舗情報>
■立ち飲み屋ビー玉
住所:東京都品川区大井1-22-18
営業時間:17:00~20:00 
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。来店前にご確認ください。