貯金は残り21億円――“仕方ない”で済ませていいのか

このようにお粗末なコロナ対策ばかりの現在の都政ですが、21年5月末現在の東京都の貯金はたった21億円と、ほぼ底をつきかけています。ちなみにコロナ前は1兆円近くありました。

長期にわたって協力金を支払う状況となっているなど、仕方のない部分があるのは事実です。

しかし、ワクチン接種会場で来場者を整理する係員が不足しているといわれているなかで、飲食店に対して自粛をお願いして回る人員の確保を優先させるなど、お金の使い方がずれている部分も多々あります。また、時短要請に応じたのに協力金が支払われていないと嘆く飲食店の声も聞こえてきます。

やはりこれも、都知事が自分の支持率を上げるために「何かをやっている感」を出すことだけに一生懸命になっているからでしょう。

▲時短要請に応じたのに協力金が支払われていない飲食店も イメージ:PIXTA

現在の都知事に都民の命と生活を守るという意識はない

今回の東京都議会選挙は、こうした状況が変わるかどうかの重要な分岐点となります。しかし気になるのは、新聞社が行う世論調査で、いわゆる無党派層のなかでは小池氏の支持率が高い傾向にあることです。

あれだけ新聞やテレビで小池氏の「伝えたいことだけ」を垂れ流していれば、ある意味では当然なのかもしれませんが、ここはひとつ冷静に過去を振り返るべきです。

決して大げさではなく、東京都知事は都民の命と財産を握っています。都議選を迎えるにあたり、都民の方々はそのことを改めて意識する必要があるのではないでしょうか。

今年の6月に入ってもなお、小池氏は会見の場でカエルのイラストと共に「8時にはみんなかえる」などという“紙芝居”を続けています。都民のIQがよほど低いと思っているのでしょう。

所詮、彼女の中で都知事という立場は目立つためだけの踏み台であり、そこに都民の命と生活を守るという意識はないのです。