ストイックな「U-NEXTの中の人」

――苦労や悩みの部分なんですけど、他の電子書店さんでも聞く話なんですが、やはり人数が足りないってところですかね。

崎山 そうですね。取り扱う量に対して、本当に人数が少ないなって。なので作品1本1本への向き合いかたとか、情報収集の仕方とかが、どうしても効率性を求めてしまうので、何かもう少し無駄な時間を含めて、じっくりと向き合える時間が各々取れたら、もうちょっと豊かかなとは思いますけども、まあこれは努力次第かなっていうところもあるので(笑)。

――最後の「努力次第かもしれません」が、すごくストイック!(笑)

崎山 いやいや(笑)。チームのみんながどう思ってるかわからないんですけど、それぞれが好きなジャンルとか、興味があることを、お喋りのレベルですけど発表する場もあるので、個人のアンテナや情報収集というところで、もう少しゆっくりゆったりできたら、もうちょっと肩の力が抜けていいのかなっていう感じもします。

――なるほど。でも、そうやってチーム内での共有がちゃんとされてるのっていいですね。忙しいとなかなかこう、会話がなくなりそうな感じもするんですが、ちゃんとその時間を取られてるということですね。

崎山 そうですね。このコロナ禍から我々もリモートワーク体制に入りまして。もうほとんど会社に行ってない状態が続いてるんですけど、定期的に打ち合わせをする場をもちろん持ってて、その前後とかで雑談できる時間っていうのは、取れるだけ取りたいなっていう思いでやってます。

――じゃあ、皆さん出社されてないんですね。

崎山 そうですね、基本的にはどこでお仕事してもいいよ、というような状況になっておりまして、打ち合わせのために出社ってこともあるにはあるんですけれども、そういったことがないんであれば。基本的には自身の考えでやってます。

――なるほど。じゃあリモートの達人みたいなりました?

中野 いや~(笑)。最近はSlackを使っていて、チャット感覚で聞けるような感じになってるので、何か改まった感じでやりとりする感じではないですね。反面、気軽に聞ける環境にはなってます。

――ネット環境が整っていないと、なかなか難しいじゃないですか。

中野 そうですよね。ただ比較的、Slackとか、その辺はコロナだからってわけじゃなくて、その前から先んじて導入してたんで、比較的そこはスムーズだったのかなと、今になって思います。

――ネット関係に強そうなイメージがあります。

中野 そうですね、エンジニアがもちろん社内にいるんですけど。動画も含めて、自分たちでサービスを作っていくっていうような考えかたなので、ネットだけじゃなくてサービスの仕組みとかにもこだわっていますし、知識がつきやすい環境ではあるかなと思います。

――「簡単レシピ」とか「健康のススメ」とかを、膨大な量の作品からピックアップしていらっしゃるんですよね。

崎山 そうですね、きちんとピックアップできてるのかなっていう不安はありながらですが、楽しい時間ですね。

――そういうのって書影で選んだりとか、内容紹介を見る感じですか?

崎山 そうですね、基本は書影です。最近では電子化もあってだとは思うんですけど、書影でも内容が一目でわかるように書かれていて、写真や絵もありますんで、そこでパッと判断して、迷うものに関しては紹介文を読んだりとか。あとはネット検索を使って、この特集にはこのタイトルが合うんじゃないかな、っていうところでピックアップさせていただいてます。

――ユーザーだけでなく、書店員さんにも書影は大事だってことですね(笑)。

崎山 あー! そうかもしれないですね(笑)。

オリジナルコンテンツは豪華なラインナップ

――御社ならでは販促方法を聞かせていただきたいのですが。

崎山 動画と書籍を絡めた企画、大きいキャンペーンを春夏秋冬のクールごとに行っています。あとツイッターもいくつかアカウントを、ジャンルごとに設けていて、全部ではないんですけれども、例えば@watch_UNEXT_Aというのは、漫画とアニメの情報を発信する公式Twitterと位置づけていて、こちらで企画の発信だったりだとか、お客様に問いかけてみたりってこともしますし、企画以外の日々の情報の発信というものも行ってます。

――御社のオリジナルで小説の連載もされてるじゃないですか。そうそうたる作家陣がラインナップされてますよね。

崎山 そうおっしゃっていただくことが多いですね。去年の8月にオリジナル書籍というような形でスタートしてます。月額会員であれば読み放題で楽しんでいただけるコンテンツになっています。

――書籍化はされてないんですか?

崎山 はい、一部は紙での書籍化もしています。

――すごい。試みがいろいろありますね。

崎山 いろいろとチャレンジしております。