南キャン・山里の何気ないひと言で上京を決意

――コントによっては、標準語を使っているものもありますよね。関西弁との使い分けは意識してやっていることなんですか?

平井 大阪にいたときはあまり意識してなかったんですけど、東京に来て関西以外の人にとっては、(関西弁を使うと)関西人っていう設定がひとつ乗っかるような感覚がある気がするというか。

浦井 大阪にいた頃は考えたこともなかったし、普通になんでやねんって言ってたんです。けど、東京やとひとつのコントのキャラクターみたいになってしまったり、コテコテの関西弁でやった時点で、お客さんがちょっと離れるような感覚もあったりして。まぁ、だからといって直したわけではないんですけど、生まれてからずっと関西に住んでたのに、(東京での生活が長くなるうちに)なんでやねんっていうのがちょっと恥ずかしくなってきて。

平井 普通に生活してても感じる瞬間ってありますよね。喫茶店で隣に座っていた、ちょっと年配のご夫婦の奥さんが、めちゃくちゃきつい関西弁だったんですよ。うち、笑(わろ)うてしまうわっ! みたいな。そのカマしてる感じがめっちゃ嫌で(笑)。

浦井 防御というか、関西人であることを盾にしてるような感じがするよね。

平井 そうそう。辞めてしまった同期でも、大阪にもおらんようなきつすぎる関西弁を使ってる人がいたんですけど、やりすぎてるのはよくないのかなって。あと、僕はもともと、兵庫の田舎の出身で、方言混じりの関西弁。

浦井 普通の関西人からすると、特殊な関西弁という感じなんですよ。

平井 だから、逆に関西弁を意識し過ぎるとむずくて、(浦井に)イントネーションはこうやでって教えてもらってたので、標準語のほうがやりやすいというのもあるのかもしれないですね。

――東京へ来て、そんな気づきがあったんですね。上京されたのは、南海キャンディーズ・山里(亮太)さんにかけられた言葉がきっかけだったそうですが。

浦井 いずれ東京へ行くだろうなというのは、もともとあったんですけど、5upよしもとっていう劇場がよしもと漫才劇場にリニューアルして、漫才中心の劇場になったことによって、当時はコントをする機会があまりなくなってしまったんです。上京はこのタイミングなのかなって平井が薄々と思い始めたころ、山里さんとご飯を食べる機会があって。『男性ブランコはコントなの?』って聞かれたので『そうです、メインでコントをやりたいです』と答えたら、『じゃあ、もう東京だね』って。

平井 さらっと言ったんだよね?

浦井 そう。だったら、東京のほうがいいよとかっていう説得じゃなく、東京だねって事実を伝えてくれたというか。それはそうだっていうトーンで言われて、あぁ、じゃあ東京だよなって僕らも思ったんです。

男性ブランコさんへのインタビュー記事は、3月11日発売の『+act. (プラスアクト) 2022年4月号』に全文掲載されています。