プレゼントが10割増しでうれしくなった大切な思い出

最高の「ことば」とともにいただいたプレゼントは、わたくしにまだまだある。きっと、みなさまの経験もいくつか胸にしまわれているだろうから、機会があればぜひともお教え願いたい。まあこれはコヌマの連載であるので、もうひとつ、ご紹介しようかななんて。

まだまだ寒い日が続いているので、防寒具は必要不可欠。なかでも、マフラーは、あるとないとでは大違いだなと、思うようになった出来事だ。20XX年のクリスマス、と書くと、いかにも近未来の予言文書っぽい。騙されてはいけない。しっかりコヌマの過去物語だ。

とにかく、ある年の聖なる日にわたくしは、親しいKさんと街を観察しに出かけた、つもりだった。Kさんは、わたくしをある瀟洒(しょうしゃ)な店へいざなった。内心、こんな高級な店に用はない、と思いつつ店内を物色していたら、Kさんがこう言った。「プレゼント、マフラーにしようと思って」Kさんは少し照れくさそうであった。

わたくしは満点大喜び。その日はしっかり“遠慮”をおうちに忘れてきていたので、大いに迷いながらマフラーを選んだ。お会計を済ませてくれたKさんは、早速マフラーをつけたわたくしに「似合うよ」という言葉もくれた。プレゼントが10割増しでうれしいものとなった。

もう過ぎ去ったクリスマスの思い出だ。しかし、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」だ。この年の12月25日を“かんじんなこと”として何度でも思い返そう。ごんぎつねでたっぷり哀愁を漂わせたあとに、ホッコリ話。温冷浴みたいで、みなさまの心の血流がだいぶ良くなったことだろう。知らんけど。

今回のニュースクランチも、ご一読ありがとうございました。コヌマへの「お誕生日おめでとう!」の「ことば」もありがとうね(そろそろしつこい)。それではまたここで。

▲退院初日の手作り料理です!

プロフィール
 
小沼 綺音(こぬま あやね)
2000年3月18日生まれ。東京都出身。「小学生に間違えられる」という見た目とは裏腹にクールで大人びた視点を持つ。リアクションや言葉のチョイスが面白く、番組で共演する芸人からの評価も高い。『青春高校3年C組』では軽音部に所属し、キーボードを担当していた。Twitter(@ayane_karona_ru)