3月は小沼綺音にとって大事な日があります

今年も3月がやってきた。3月って、なにか重要なイベントがあった気がする。とくに、3月の18日あたりに、とってもだいじな日が存在していたような……。

え? コヌマの誕生日???? よっ!  待っていました!  よくぞ覚えてくださっていた! アナタが覚えてくださっていたというのは、わたくしにとって最高のプレゼントだ。本当にうれしい。そして、第二次入院、これはぜひ前回のニュースクランチを今一度ご確認ください、その期間を経て自分自身にあるプレゼントができた。それは、健康、もっと言えば、心身ともに健やかな生活への第一歩だ。

お金を出せば購入できて、形があるモノではない。しかし、サン=テグジュペリは『星の王子さま』の一節で、こんな言葉を残している。

「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」

ああリトルプリンスよ、よくぞ言ってくれた。健康って、目に見えないけど、「かんじんなこと」だよね。いや、むしろ「かんじんなこと」だから、目に見えないのかしら。小さな王子さまの、鋭い言葉に、大きな影響を受けて身悶えするコヌマであった。目に見えないけど「かんじんなこと」のOne of manyに、「ことば」があるとわたくしはおもっている。

「いやいや、ことばを書いて文章にすれば可視化できるじゃないか! このニュースクランチの記事をしたためておいて何を言う!」というご意見、のみます。返すことばもないです。どうか、たった今わたくしが返し損なった「ことば」は、あなたにお見せできなかったということで、手を打っていただけないでしょうか。さらに、文章を理解するために頭の中で読み上げる作業は、目に見えないと思うのですよ……。こじつけのようでみっともないですね……。今回ばかりはお許しを……。

▲入院中に愛用していたイチゴ柄のパジャマです

あの無口で口下手な父からのうれしいプレゼント

というのも、わたくしにとって「かんじんなこと」となり得たある「ことば」は、文字に起こされているからだ。

プレゼントの話が戻ってくる。また誕生日の話をするとは、我ながら押し付けがましい。大事な日であるので、全面に押し出していこうと思う。全く恥ずかしくはない。毎年の誕生日、わたくしの両親は律儀にプレゼントをくれる。さらに、誕生日以外でも、ちょっとずつうれしいプレゼントをくれることがある。

ついこの前のことだ。つまり、わたくしが第二次入院の最中であるときのこと。父がプレゼントをくれた。話題作であるだけに、絵はとてもかわいらしくてコミカル、それでいて内容は深いもので、すっかり気に入ったわたくしは、お医者さまと一緒に読むなどした。もちろん、絵本の贈り物はすこぶるうれしかった。

だがそれ以上に、父がくれたSNSのメッセージがうれしかった。原文ママを載っけるのは、こちらとしても非常に恥ずかしいので簡潔に説明する。あの無口で口下手な父(「あの」というのは以前も彼が登場しているからだ)、そのファザーがメッセージで、わたくしが元気になるのをゆっくり待っている、というようなことを送ってくれたのだ。

短すぎて結局、ほぼ原文ママになった。短文が、父の声で再生されて、素晴らしくあたたかい気持ちになった。ありがたいプレゼントだな、と思った。本当に自慢の父だ、と言いかけて彼の奇妙な一面が脳裏をよぎる。父の娘でよかったなんていう、主観的なものに切り替えさせていただきます。