アニメで動かしてみたい、という野望

――イラストに限らず、ゲーム・漫画・映画、なんでもいいんですが、動物文明史研究会さんが一番影響を受けた作品ってなんですか?

白井 いろいろあって一概に言えないんですが、動物文明史研究会として活動するにあたって、コミティアに出店する前に、ほかの方々がどんなものを販売しているのか知っておこうと思って。正直、ちょっと舐めてたんです、まあこんな感じかなって想像してて。そしたらスゲエの書いてる人がこんなにいるんだ、って思って。そのなかでも八木ナガハル先生の作品は、すごく衝撃を受けましたね。かなり硬派なSF作品を発表されてるんですけど、かなり奥深いところまで練り上げられていて、身が引き締まるような想いをしました。

▲『無限大の日々』著:八木ナガハル(駒草出版)

――自分たちもそれくらいの覚悟でやらないといけないな、ということでしょうか?

白井 そうですね。高いハードルを感じました。ただ、自分の知識が増えていくにつれ、マニアックで予備知識の必要なテーマを扱うことになってくるかと思います。そんなときに「創作活動を始めた頃のちょっとSFが好きな自分」から見て楽しめるか? みたいなことは意識するようになったかもしれないです。同じ動物文明史研究会のメンバーに「これって伝わるかな?」「これはありえそうって思う?」っていうのは、毎回逐一確認しています。ちゃんと世界観が地続きになっているかな、というのが自分たちの表現の核だと思っているので。

――なるほど。そこのバランス感覚も動物文明史研究会さんの持ち味だというのが、今日のインタビューでよくわかりました。今後の動物文明史研究会の展望、野望などはあるでしょうか?

白井 もともと3Dで映像を作る会社にいたので、ゆくゆくはアニメ化していけたらいいな、と思っています。ただこれはアニメ化に限った話ではないのですが、こういう話を例えばSFっぽく広げていくにあたって、動物が知性をもったらというポイントを楽しみにしている方にとってはノイズになってしまうかもしれないな、という懸念もあって。そこは少し葛藤している部分ではありますが、うまい感じで展開していけたらいいなと思います。


プロフィール
 
動物文明史研究会
同人サークル 【動物文明史研究会】 として動物達が文明を持ったらどうなるか?などをコンセプトにイラスト、ストーリーを発表している。SNS:Twitter(@kemyth111)