「基本的には『M-1』が頭にありますね、ずっと」
――ハハハハハ。いま、そんな上の兄さんや師匠たちと同じように、お二人もとんでもなく忙しいじゃないですか。今日もこのあと東京に帰るんでしたっけ?
伊藤 はい、このあとに東京で仕事させてもらって、明後日また大阪に来ます。
――そういうペースにも慣れましたか?
伊藤 慣れましたね。ネタ作りの時間があまりないですけど。
――このNGKで「伝説の一日」の大役を終えたばかりですが、もう今年の『M-1』のネタ作りに入る感じですか? 通常は夏を過ぎたあたりから皆さんザワつき始めますけど。
畠中:今はまだ全然そんな感じじゃないですけど、そのぐらいの時期にいいネタがあればという。
――やはり秘めているものは大きいですよね。
畠中 それはそうですね。
伊藤 でも、あんまり「優勝したい」みたいなの出さずに、考えすぎないほうがいいなともちょっと思います。なるようにしかならないですから、ここまで来たら。
――『M-1』終わってすぐの頃は、おそらく悔しさがモチベーションになっていたと思うんですけど、今はいかがでしょう?
伊藤 なんでしょうね? まだこれっていうネタもないのであれなんですけど、「優勝したい!」というところがやっぱり一番強いですけどね。
畠中 そうですね、だからネタを作るにしても不安で、これがウケるかとか、予選通るために何本必要とか。やっぱり基本的には『M-1』が頭にありますね、ずっと。
伊藤 そうですね。テレビに出ていたりとかすると、ウケにくくなるみたいなのはよく聞くんですけど。
――手の内が知られてる状態でやるわけですからね。
伊藤 でも、僕らはあんまり関係ないですけど。むしろ、認知度が上がったほうがいいぐらいの。僕ももちろんそうですけど、畠中なんて畠中のキャラクターが伝わっていたほうが絶対ウケやすいので。
畠中 次は戦い方も変わってくるなという感じはしますよね。今までと同じというわけにはいかないのかもしれないですし、予選でどういうウケになるとか、お客さんの反応とかもまだわからないのでね。もしかしたら全然去年までと違うこともあるかもしれないですね。
伊藤 その辺あんまり考えすぎてやっちゃうと、もう楽しくなくなっちゃうので、その辺は、もう考えすぎない。
――今日はNGK110周年というおめでたい日ですが、この先、ゆくゆくはこういう芸人になっていきたいみたいな理想の芸人像ってありますか?
伊藤 僕はテレビにめちゃくちゃ出たいですね。テレビにめちゃくちゃ出て、なおかつ劇場にもずっと立っていたいなと思いますけど。
畠中 そうですね、僕もずっとやりたいのは漫才。だからNGKとかに立たせてもらえるような漫才師として、今でいう中川家さんとかやすともさんとかみたいな……。
――トリがとれるコンビ、ということですね!
畠中 そういうふうになれたらもう最高なんですけど。
――今、忙しくてアウトプットが続いているという感じだと思うんですが、そんななかで気持ちを保つために何か心掛けていることはありますか?
伊藤 別に心掛けなくても今まで通りではあります。「そのためにこれをしている」とかはないですね。漫才のネタは畠中がテーマを出して、そこから二人で作るかたちなので、僕は「畠中待ち」みたいなところです。
――お二人の関係性に変化はないですか?
畠中 はい。
伊藤 関係性は別に変わらないですね。今まで通りじゃないですか? 揉めるときは揉めますし、普段は別に普通ですし。
――オズワルドは仲悪いイメージはないです。
伊藤 揉めるときはめっちゃ揉めますよ。ネタ合わせのときとか。
――そういうときはどっちが折れることが多いんですか。
伊藤 どっちも折れないのでそのままにして、次の日になったら戻っているみたいな感じです。
――ある意味、理想的かも。では、『M-1』以外で、コンビとして直近で何か達成したいことはありますか?
畠中 『M-1』以外かぁ。
伊藤 ないですね。
畠中 ホント、ない。『M-1』しかないですね。
伊藤 それが唯一と言っていいぐらいな気がします。
畠中 それが叶ったときにどうなるかはわからないですけど、とりあえずそれを獲るまでは。
110年間“笑い”を発信し続けてきた吉本興業が、伝統と最新の「笑い」を同時に見せてくれた、まさに「伝説の一日」となったイベントの模様は、FANYオンラインで4月11日(販売は4月10日)まで見逃し配信をしているので、今からでも「伝説」を楽しむことができる。気になる人は『伝説の一日』ホームページを確認してみよう!