若い人たちには無限の可能性がある

▲若い人には何かひとつでも好きなことを見つけてほしい

――日本にまだそんなフレンドリーなコンビニがあるんですね(笑)。

福田 僕が『45』の連載を始めたときに、「いろんな人に読んでもらいたいなぁ」と思っていたら、「QRコード作って配れよ」って店長さんが言ってくれて。じゃあ、知り合いの人だけに取りあえず配ってみるかと思って声を掛けたら、40人ぐらいのお客さんが受け取ってくれたんですよ。

本来はコンビニの店員とお客さんという関係なんで、あんまりゴリ押しするのも駄目だけど、向こうからもいろいろ興味を持ってくれて。そんな空間がやっぱり自分の中では心地よくて、「これだったら楽しく日々働けるよな」って思います。

――ワンオペのキツさよりも、人間関係のほうが福田さんにとっては大事なんですね。

福田 でも、その店長さんがもう辞めちゃったんですよ。そのときは続けようかどうか迷ったんですけど、来るお客さん、来るお客さんが友達みたいな感じになってるし、こんなに楽しい職場もないだろうって思って。店長が替わった今も楽しくやらさせてもらってますね。

――福田さんには、なんとなく周りがほっとけない空気っていうのがあると思います。

福田 そうなんですかね(笑)。自分では運がいいだけだと思ってますけど、いろんな人との出会いがすごいデカいことですよね。お笑いや小説のネタになるような面白い人もたくさんいるいし、こんなに楽しく働いていいんだっていう。でも、シンプルに考えたら、そのほうがいいに決まってますもんね。

――それでは最後に読者にメッセージをお願いします。

福田 僕は人に対して、なんか偉そうに何も言えることはないんですけど。コンビニで働いてて、いろんな人を接客してるなかで、若い子って、たとえ見た目がチャラチャラしてても、いい子がすごく多くて、礼儀正しかったりする。どんどん若い人が柔和になっていってると思うんですね。その人たちのおかげで、この世の中もこれからもっともっとよくなっていくんじゃないかなって。若い人たちには無限の可能性があるので、何かひとつでも好きなことを見つけて、楽しんでもらえたらいいなって思います。


プロフィール
 
福田 健悟(ふくだ・けんご)
平穏な家庭に育つも、高校生になり不良の道へ。地元、岐阜県で最大の規模を持つ不良チームのリーダーとなる。18歳の頃、他チームとの抗争が原因で留置所に2週間、鑑別所に2週間の計4週間を更生施設で過ごす。週に1回の入浴、美味しくないご飯、笑うことが許されない環境で生活をして当たり前の日常の大切さに気づく。そもそも子どもの頃になりたかったのは、お笑い芸人だった。周りにナメられるのが嫌で言い出せなかった。不良を演じて虚勢を張っていた。出所後は本当の自分になることを決意し、お笑い芸人を目指して上京する。わずか10万円を握りしめての東京生活。コンビニでアルバイトをしながらも舞台と日常を分けずに常に芸人としての自分を貫く。すると近所で評判のコンビニ店員になる。「あのお兄さん大好き」「接客のプロ」とたくさんの称賛をいただきながら実感する。人は変われる——。世間から忌み嫌われていた不良が世間から愛される人間に更生した。人生における全ての「負」から立ち直った経験を生かして、他人のありとあらゆる「負」も更生する。つまらない時間を面白い時間に「更生」するため、お笑い芸人として活動中。Twitter→福田健悟@ganeesha_fukuda