若い人たちには無限の可能性がある
――日本にまだそんなフレンドリーなコンビニがあるんですね(笑)。
福田 僕が『45』の連載を始めたときに、「いろんな人に読んでもらいたいなぁ」と思っていたら、「QRコード作って配れよ」って店長さんが言ってくれて。じゃあ、知り合いの人だけに取りあえず配ってみるかと思って声を掛けたら、40人ぐらいのお客さんが受け取ってくれたんですよ。
本来はコンビニの店員とお客さんという関係なんで、あんまりゴリ押しするのも駄目だけど、向こうからもいろいろ興味を持ってくれて。そんな空間がやっぱり自分の中では心地よくて、「これだったら楽しく日々働けるよな」って思います。
――ワンオペのキツさよりも、人間関係のほうが福田さんにとっては大事なんですね。
福田 でも、その店長さんがもう辞めちゃったんですよ。そのときは続けようかどうか迷ったんですけど、来るお客さん、来るお客さんが友達みたいな感じになってるし、こんなに楽しい職場もないだろうって思って。店長が替わった今も楽しくやらさせてもらってますね。
――福田さんには、なんとなく周りがほっとけない空気っていうのがあると思います。
福田 そうなんですかね(笑)。自分では運がいいだけだと思ってますけど、いろんな人との出会いがすごいデカいことですよね。お笑いや小説のネタになるような面白い人もたくさんいるいし、こんなに楽しく働いていいんだっていう。でも、シンプルに考えたら、そのほうがいいに決まってますもんね。
――それでは最後に読者にメッセージをお願いします。
福田 僕は人に対して、なんか偉そうに何も言えることはないんですけど。コンビニで働いてて、いろんな人を接客してるなかで、若い子って、たとえ見た目がチャラチャラしてても、いい子がすごく多くて、礼儀正しかったりする。どんどん若い人が柔和になっていってると思うんですね。その人たちのおかげで、この世の中もこれからもっともっとよくなっていくんじゃないかなって。若い人たちには無限の可能性があるので、何かひとつでも好きなことを見つけて、楽しんでもらえたらいいなって思います。
〇Fun Work ~好きなことを仕事に~ <お笑い芸人・福田健悟(前編)>