好きなことに「好きじゃないこと」を混ぜない
――仕事をするうえで心がけていることはありますか?
戸田 毎日一定のペースでやっていくと決めています。毎日、起きたあとに25分×3回分の仕事をして、ご飯を食べて趣味を楽しんで、また25分×6回やって終了、みたいな。
――これだとツラくなく進められますか?
戸田 そうですね。ツラくなっても続けられるように、このやり方にしています。
――なるほど。
戸田 仕事していると、うまくいかないことばっかりになってきますよね。プログラミングも、なんだかわからないけどエラーが解決しなかったり。でも、エラーが解決しないときって、次の日になるとなぜか解決することが多いんですよ。ここで重要なのは、解決しないからっていつまでも続けないで、「今日はもう時間が来たから終わり!」っていうのを作ると、どんどん泥沼にハマっていくことがなくなります。
――時間が来たら状況が良くても悪くてもパッとやめて次に行く、たしかにいいですね。
戸田 ずっと一定のペースで仕事ができるし、仕事に対する嫌なイメージが無くなっていく気がします。
――対人関係で気をつけていることはありますか?
戸田 僕はその役割じゃなかったんですけど、広告代理店は調整屋みたいな仕事が多くて。クライアントと制作会社のあいだで板挟みになって意見を聞いて……、これって全員が集まって話したらなくなりますよね。こういうことを起こさないためにも、もともと人数の少ない会社ですが、少数のメンバーで続けていきたいなと思っています。
――多くの人が関わらなければならない仕事もあるとは思いますが?
戸田 そうですね。仕事以外のコミュニケーションがうまくいってると、仕事もうまくいくんじゃないかなと思います。
――雑談とかですか?
戸田 はい、あとは飲みに行くとか。会社員時代にすごく理詰めしてくるクライアントの方がいたんですけど、もちろん喋っていることは論理的で間違っていないんです。でも、その前に「詰めよう」って思ってるから詰めてきてるわけじゃないですか。嫌いじゃないと詰めようと思わないし。仲良かったらこんな問題は起こらないですよね。
――たしかに、相手のことを知っておくとか、好きになることは大事かもしれないですね。bondaviは会社の収益を寄付だけにしていますが、アプリに広告をつけなくなった経緯をお聞きしたいです。
戸田 自分がユーザーのときに、やられて嫌なことはしたくないんです。
――(笑)、単純ですね。
戸田 好きなことで独立しようって決めてるので、そこに自分が好きじゃないものが混ざっちゃったら本末転倒というか。
――なるほど。bondaviのアプリには、くだらないことに課金機能がついてるので、戸田さんはすごくいい人だなって思いました。
戸田 応援コメントが名言風になるとか、ドラマティックにタイマーを止めるとか、しっかり見てもくだらない(笑)。
――こういう機能の案とかは、社内で話し合って決めているんですか?
戸田 話さないです、勝手に作っちゃう。メンバーが見ると「今回もくだらないですね~」って(笑)。
――開発担当の丸子さん、広報担当の松本さんとはどういう雰囲気ですか?
戸田 フランクな感じです。厳しいことは「これはちょっと無理じゃないかな」って言ってくれますね、特に松本は。丸子は適当なんですよ、何を聞いても「いいっすね!」「最高っすね!」って持ち上げてくれます。