大手事務所に電撃移籍!
新ネタは評判が良かった。ショートネタブームを作り出した伝説の番組『爆笑レッドカーペット』のオーディションにも受かり、本番でも爆笑をとり、MVPともいえる「カムバックレッドカーペット」にも呼んでもらえた。
やっと、やっと、ゴールデンタイムのネタ番組に出れた。そして思ったように笑いも取れた!
オンエア後は、知人から電話やメールが殺到し、芸人からも「これで売れちゃうんじゃない?」なんて声もかけられた。調子に乗った俺は、この年2008年に初の単独ライブを開催する。200人のキャパで最初は8枚しか売れなかったが、最後は友人たちの協力もあり満席となる。
当日は地元の友人や先輩も来てくれた。やんちゃをしていた仲間も多かったので、ライブの会場前にベンツやセンチュリーなどの高級車が止まっていたのは、今でも芸人のあいだで伝説になっているらしい。
俺の活動にまったく理解を示さなかった父親も単独ライブに招待した。
「この前、ゴールデンのネタ番組出たんだよ」
「見たぞ」
芸人をやっていることを応援してるんだか、反対してるんだかわからない反応だったが、ぶっきらぼうな父親らしいとも思った。
そこから何度かレッドカーペットに出演できた。ブレイク期の到来かと思われた矢先、なんと所属していたオフィスインディーズが経営破綻で潰れてしまった。社長と社名を変えて新事務所が立ち上げるとなったが、モノマネ芸人が多く事務所の個性と合うか不安だった。
小さい事務所への不安もあった。大手事務所ならもっと売り込んでもらえるのではないか? そんなとき、オスカープロモーションがお笑い部門を立ち上げると知った。オスカーといえば、上戸彩さん、米倉涼子さん、菊川怜さんなどが所属する超大手じゃないか。大手事務所なら俺のことを売ってくれるに違いない。俺は移籍を決意した。
移籍先で「ぺこぱ」と知り合うのは、もう少し後のこととなる。
(構成:キンマサタカ)