ゴジキが考える2023WBC投手陣の構想と起用法
前ページでお伝えしたことも鑑みて、私が考える2023WBCの投手メンバーは以下の選手たちである。
大谷翔平(エンゼルス)
誰しもが知る世界最高のプロ野球選手。今シーズンは規定投球回数を投げて、15勝・219奪三振・防御率2.33を記録。投手としても文句なしのメジャートップクラスの成績を残した。
ダルビッシュ有(パドレス)
今シーズン、パドレスのエースとして16勝をマーク。2013年は最多奪三振、2020年は最多勝を記録するなどメジャーでもトップを走る投手。
山本由伸(オリックス)
昨シーズンは沢村賞に輝き、今シーズンも投手四冠を記録した。東京五輪では防御率は1.59を記録して金メダル獲得に貢献。
佐々木朗希(ロッテ)
ポテンシャルは歴代最高峰。史上最年少で完全試合を達成。最速164km/hの速球とスプリットを活かして驚異的な奪三振率を誇り、世界の舞台の活躍でも大いに期待できる。
千賀滉大(ソフトバンク)
今オフにポスティングでメジャー移籍が噂されている。前回大会と東京五輪の活躍や、NPBの実績を見ても申し分はない投手。先発から中継ぎまで幅広い活躍が見込める。
髙橋宏斗(中日)
規定投球回数未到達ながら、驚異的な奪三振率を誇る。実力は申し分がないため、先発要員として期待できる。
藤井皓哉(ソフトバンク)
今シーズン大ブレイク。奪三振率は12.94を記録するなど、代表のブルペン陣には欠かせない投手。
湯浅京己(阪神)
彗星の如く現れた若手。最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。クライマックスシリーズでは、ピンチの場面をことごとく切り抜けるピッチングを見せた。
山崎康晃(DeNA)
2019年プレミア12の優勝投手。今シーズンキャリアハイを記録。怪我などの長期離脱がなく安定感もあり、計算しやすい投手である。
大勢(巨人)
サイドハンドで最速159km/hの速球にスプリットで相手打者を抑える。新人ながらもピンチに動じないメンタリティもあるため、代表向きの選手。
高梨雄平(巨人)
左の変則枠として選出。ワンポイントはもちろんのこと、国際大会の初見殺しの役割も担う。
松井裕樹(楽天)
昨シーズンは抑えに再復帰して好調を維持。高い奪三振率と国際大会の経験が豊富であることから、貴重な存在になるだろう。
栗林良吏(広島)
東京五輪日本代表のクローザー。投手としての総合力も高く、文句なしの日本最高のクローザー。
起用法としては、大谷・ダルビッシュ・山本・佐々木を先発で起用し、髙橋・千賀を第二先発で起用していく構想。また、中継ぎは藤井・湯浅・大勢・高梨・松井を起用。クローザーは栗林か山崎にする方向性だ。
しかし、オフにメジャーへの移籍が噂される千賀や山崎は、移籍が決まればWBCの出場は難しくなるはず。その場合は、東京五輪で中継ぎを任され、国際大会の経験もある大野や東京五輪で活躍した日本ハムの伊藤大海が有力候補に挙がってくる。
メジャー組の大谷やダルビッシュが参加できないとなれば、今シーズン投手三冠を獲得した阪神の青柳晃洋や戸郷、今永あたりの投手で埋めていく形になるだろう。
起用法として一つの鍵は、ポストシーズンのように調子が良い投手を、早い段階でつぎ込む継投策ができるかどうか。例えば2017年WBCでは、オランダ戦で先発の石川歩を3回で降ろして、8人の中継ぎ陣を継投して勝利。2019年プレミア12の決勝では、不調の山口俊が1イニングでマウンドを降りて、2番手以降の投手は回跨ぎなどしながら継投して逆転勝利した。
シーズン開幕前に招集されるということもあるなかで、選手や球団への配慮も気にしながら、連投や回跨ぎを含めた継投を考えていかなければいけない部分があるのが、難しい課題である。
また、これまでの国際大会で勝ち上がれた傾向を見ると、左右で変則投手を複数枚用意している。その点を考えると、近年は安定しており、落ちるボールをうまく使えるオリックスの比嘉幹貴はもちろんのこと、プレミア12に選ばれていたソフトバンクの嘉弥真新也も候補に挙げるべき選手である。
チームとしての組織づくりの期間の短さを考えると、東京五輪の活躍度合いを優先的に考えるのは重要である。実績とコンディションやチームのバランスと言った部分を考慮したうえで「史上最強の日本代表」を作り、2009年以来の世界一奪還をしてほしい。