まずはカツオを釣って気持ちを紛らわすことに
6回目の釣行。クルージングにもいい加減飽きてきて、毎度空っぽのクーラーボックスを持って帰るのもツライし、そろそろお土産がほしい。マグロとカツオでは仕掛けの長さが違い、その差は約10メートル(偶然同じ仕掛けで釣れることもあるけれど)。約3メートルの仕掛けをつけるということは、マグロを諦めカツオを釣るということ。それでもお土産がほしい、魚の反応がほしくて、短めの仕掛けでカツオを狙う。
にもかかわらず、カツオすらかからない。もう、これは一か八かの勝負に出ようと、マグロ用の12メートルでもなく、8メートルの仕掛けに変更。2投目ぐらいでガクンと竿が海に突き刺さり、何かがかかった! カツオの場合、ビューンと走るダッシュはそれほど長くないのだが、まるでマグロのごとくダッシュが止まらず、糸がどんどん出ていくではないか!!
こ、これはマグロだ!!!!!
「マグロがかかりましたーーーー!!!」と大きな声でみんなにアナウンス。
マグロは広範囲を大暴れしながら泳ぐので、おまつり防止のために誰かがマグロをかけたらほかの人は巻き上げ、釣りを中断するのがルール。みんなが私のためにマグロ釣りを中断して「絶対釣ってよ!」と応援に回ってくれている。そして、私も船中第1号でマグロを上げられるかも!? と大騒ぎ。嬉々としながら、バラさないように魚とやり取りをした。
釣っても堂々とできないマグロがいることを知る
マグロの力はとても強く、簡単には釣ることはできない。これまでには20分くらいかけて釣ることもあった。しかし、この日は楽々と魚があがってくる感じで、私の腕も上がったのかな……なんて思ったりもした。
上手な人は時間をかけず、魚への負担を最小限にサクッと釣るのを何度か見たこともあった。これはまさにそれだ! なんて思いながら、5分程度で海面に魚影が。なんと、カツオサイズの小さなキハダマグロ。俗にいうキメジ(キハダマグロの子ども)だった。
魚をかけた瞬間から、ニヤニヤしながら「一番に釣れた~!」と大騒ぎしちゃったので、そのときの恥ずかしさったらなく、穴があったら入りたいとはこのこと。“やっちまったなー”という感じでキメジは即リリース。皆さんの貴重な釣りの時間を奪ってしまって、申し訳ないやらなんやらで、感情がグジャグジャに。
その後も期待を胸に挑むのだが、カスリもせず6回の釣行が終わった。はぁぁぁ、なかなか本命が釣れない……。肩を落としガッカリしていた。