実現に向けて追い風が吹く…?
河原木 でも……普通に考えて、個人が既存のキャラクターをVTuber化するのは難しいじゃないですか。
――版権元のオーバーフローさんからの許可が必要ですからね。
河原木 「難しいだろうな……」って思っていましたし、最初はまだ世界として何かを発する勇気がありませんでした。アニメが放映されていた当時は、世界への風当たりが強くて...! こう、世界は泥棒猫的な…!
――もう一人のヒロイン、桂言葉(かつらことのは 以下 言葉)と主役の伊藤誠を奪い合う役でしたものね。2007年に公式で人気投票を行った際に、世界は好きなキャラ3位(1位は言葉)にランクインする一方、嫌いなキャラ投票では2位と両極端な結果でしたよね。
河原木 でも、2021年の夏頃にすごく勇気づけられる出来事がありました! お笑い芸人のFUJIWARAさんがやられているYouTubeチャンネルで「【アニメ】スクールデイズ最終話を見てみよう!」という動画がアップされていました。
〇【アニメ】スクールデイズ最終話を見てみよう!
――ありましたね! いろいろなアニメの最終話を見る企画の1つでしたよね。
河原木 フジモン(藤本敏史)さんが、世界に好意的なコメントをくださって、すごく勇気づけられました。その後、運にも恵まれてトントン拍子に世界をVTuber化する許可をいただけました!
――急展開! いったい何があったんですか?
河原木 2021年の秋頃から、アニメで言葉を演じた岡嶋妙ちゃんと、School Daysを視聴しながらの実況配信をYouTubeでやりました。これが結果的に許可を得ることにつながりました。実況配信するには、オーバーフローさんから許可を得たほうがいいじゃないですか。
――たしかに話を通しておくことは大切ですよね。
河原木 連絡を入れてたら、オーバーフローさんから「いいですよ!」って実況の許可をもらえて、「今がチャンスだ!」と思ったんですよ。
――まさか…!?
河原木 ついでに「私、世界をVTuberにしたいです」って勢いで言ってみたら、「あぁ、いいですよ」ってあっさりOKが出ちゃいました(笑)。
一同 (爆笑)
河原木 しかも! 「世界の絵や、劇中の背景絵も、ゲーム版のほうでよろしければ、お貸しできます」と言っていただけて!
――あははは(笑)。サービスがいいですね!
河原木 オーバーフローさんはもちろん、School Dayに携わった制作陣の方々が、すごく協力的でうれしかったです。あと、総作画監督のごとうじゅんじ先生も、トークテーマに合わせて世界の絵を描いて送ってくださることもあります。
――先行すること2020年12月に、言葉がVTuberデビューしていたことには影響を受けましたか?
河原木 そうですね。これはあくまでネタとして聞いて欲しいんですけど、世界としては「いつも桂(言葉)さんばかり!」という思いがあるわけですよ。グッズ展開するにしても、放映当時は「桂さんは出てるのに、なんで私は無いの!」って(笑)。
――世界としては「私も一番になりたい!」みたいな思いがあるわけですね。
河原木 「誰も(VTuberを)作ってくれないなら、じゃあ私、自分で作っちゃう!」って、世界が動き出したらネタとして面白いと思いました。
――あはははは(笑)。確かに世界ならありえそうですね。河原木さんのYouTubeのコンセプトにも入ってるDIYにもマッチしていますよね。
河原木 私が演じてきたこれまでの役のなかでも、世界ならこのB型気質というか、図々しさが許されると思いました。
――多くの視聴者が楽しんでいるという結果で「大丈夫だった」と証明されましたね! 世界を自分で作るにしても、VTuberとして画面上で動かすのは大変でしたか?
河原木 声優のたみーちゃん(民安ともえさん)が、すでにVTuberとして活動していたので、いろいろと教えてくれました。
――民安さん、YouTubeのチャンネル登録は12万人を超える活躍をされていますね。
河原木 たみーちゃんに相談すると、「もういつでも手伝います! なんなら、お家まで行きます!」って言ってくれて(笑)。「Face Rig」や「Live 2D」といった導入するべきソフトを細かく教えてくれたし、設定はTV電話を画面共有しながら教えてくれました。「ちょっとそれは難しすぎる!」っていうと、「じゃぁこれはどうですか?」ってレベルに合わせて教えてくれました。
――VTuberとして活躍してる先輩からのアドバイスは心強いですよね。
河原木 世界の絵をVTuberとして動かすための加工は、「Photoshop Elements」で自分でやりました。加工の様子も私のチャンネルで公開しているので、ぜひ視聴してください。