物足らなさを感じたが代表に必要な柳田悠岐・坂本勇人
年齢的な衰えがあり、ソフトバンクの柳田悠岐は規定到達のシーズンではワーストの成績に終わった。巨人の坂本勇人に関しても、レギュラー定着後のキャリアではワーストのシーズンに。
しかし、この両選手は来春に開催されるWBCには必要な選手と言っていいだろう。
柳田に関しては、衰えが見えたものの、シーズンの長打率がリーグ3位を記録した点はさすがだ。クライマックスシリーズの西武戦で見られた、ここ一番の強さやスター性はチームを後押ししてくれるのではないだろうか。東京五輪では成績上は目立った活躍はなかったものの、アメリカ戦では内野安打でもおかしくないような内野ゴロで、ランナーを返した。大会全体を見ても、怪我が心配されたなかでフル出場をした。
今シーズンは155km/h以上のストレートについては14打数1安打と、トップクラスのボールに対しては以前ほど目が追い付いていないことは懸念材料であるが、ストレートの全体の打率は.330を記録しており、東京ラウンドや準々決勝までは大いに期待できるのではないだろうか。
坂本は今シーズン不甲斐ない成績に終わった。長丁場のシーズンでは難しい部分があるが、短期決戦であれば遊撃手として出場することも可能だろう。これまでの遊撃手としての国際大会の実績は、歴代最高クラスではないだろうか。
前回の2017年のWBCでは、派手さはなかったもののバランサーとして打率.417を記録。2019年のプレミア12では、大会中に調子を上げていき、打率.308を記録。そして2021年の東京五輪に関しては、初戦でサヨナラタイムリーを放つなど打率.333、1本塁打 4打点の活躍を見せた。
東京五輪で金メダルに導いたキャプテンシーもあり、このWBCで日本代表としての最後の大舞台として活躍を期待していきたい。
奮起した大野雄大・増田達至・石山泰稚・宮崎敏郎
中日の大野雄大は、今シーズン二桁勝利こそはならなかったものの防御率2.46を記録。キャリア全体を見ても、2017〜2018年こそ成績を落としたが、その後は復活を遂げて2019年からは安定したピッチングをしており、2020年には沢村賞を獲得した。2019年のプレミア12や2021年の東京五輪の活躍を見ると、先発はもちろんのこと、第二先発から中継ぎまでできることから、来春のWBCに選ばれてもいい投手だ。
西武の増田達至もシーズンによって波はあるものの、今シーズンはクローザーとして復活して、リーグ2位の31セーブを記録した。前半戦は防御率1点台を維持する活躍を見せて、12球団トップの防御率を誇る投手陣を支えた。特にリリーフ陣に関しては、チーム全体で防御率2.31を記録。ただ増田自身、7月以降は打ち込まれていたこともあり、来シーズンは増田の勤続疲労や年齢的な点から見られる体力面の課題を、チーム全体で改善できるかが鍵となる。
ヤクルトの石山泰稚は、今シーズン防御率1.75を記録。さらに、被本塁打は0と素晴らしい成績を残した。ヤクルトに関しては、30試合登板以上の投手が9人いる層の厚いリリーフ陣を活かして、無理のない運用でリーグ2連覇を飾った。
DeNAの宮崎敏郎は、3年連続となる3割を記録。さらに、節目となる通算1000本安打を達成した。宮崎に関しては、年齢を重ねても速球など強い球に負けない打撃をし続けており、毎シーズン安定した活躍をしている。そのため、チームとしても計算を立てやすい選手ではないだろうか。来シーズンも安定した活躍に期待していきたい。
このように、2022年シーズンの成績は明暗が分かれた1988年世代。しかし、まだまだ老け込む年齢ではない。来シーズンの巻き返しに期待したい。