3年連続「プロレス本大賞」受賞という快挙

▲至高の三冠王者 三沢光晴

2023年1月18日、小佐野景浩氏の著書『至高の三冠王者 三沢光晴』が書泉制定「プロレス本大賞2022」特別賞を受賞したことを記念して、書泉グランデ(東京都神保町)でトークショーが開催された。この日、スペシャゲストルゲストとしてDDTプロレスリングの秋山準選手がスペシャルとして参加し、小佐野氏の受賞に華を添えた。

秋山選手といえば、時には超世代軍として故三沢光晴氏と共に闘い、時にはベルトをかけて激しく闘ったことは、今なおプロレスファンの胸に深く刻まれている。また『至高の三冠王者 三沢光晴』においても、小佐野氏の取材に協力してくれた秋山選手がどんなことを語ってくれるのか――平日にもかかわらず注目度は高く、会場には超満員となるお客さんがかけつけた。

まずトークショーにさきがけ、書泉グランデより小佐野景浩氏に記念の盾が贈与された。じつは小佐野氏にとっては3年連続のプロレス大賞の選出。2020年度は『永遠の最強王者 ジャンボ鶴田』で最優秀企画賞を、2021年度は『昭和プロレスを語ろう』で敢闘賞を受賞しており、あらためて“プロレス・ティーチャー”としての存在感と信頼感を広く示す結果となった。

▲永遠の最強王者 ジャンボ鶴田

三沢氏との初対戦を終えて秋山選手が感じたこと

イベント会場に秋山選手がテーマ曲に乗って入場、いよいよトークショーのゴングが鳴る。まず小佐野氏より「初めての三沢さんとの出会い」について質問が飛ぶと「入団(1992年2月3日)前の91年の(世界)最強タッグ(決定リーグ戦)のときに、武道館の控室で挨拶をしました。三沢さんは“頑張れよ”と言ってくれました」と回顧。

ここで小佐野氏が「小橋(建太)さんが入団の挨拶にいったときに。ちゃんと反応してくれたのはジャンボさんと三沢さんだけだったそうです」とのエピソードを披露し、はからずも三沢氏の温かい人間性が伝わってきた。

続いて道場での練習については「小橋さんが隊長だったわけですが、三沢さんから指導があったり、スパーリングをしたりしましたか?」と小佐野氏の質問を受けた秋山選手は、「ボクらの合同練習が終わった頃にやってきて、ひとりで練習をしてましたね。それは三沢さんだけじゃなくて、川田さんとか上の方はそうでしたね。ずっといたのは小橋さんぐらいです(笑)」と練習の虫で知られる小橋氏の逸話も証言してくれた。

続けて小佐野氏より、〈1〉同年9月21日の小橋建太戦でデビュー、〈2〉続けてデビュー8戦目の三沢&秋山VSカンナム・エクスプレス(ダグ・ファーナス&ダニー・クロファット)で三沢さんと初タッグ、〈3〉16戦目の三沢&小橋&菊地(毅)VS田上(明)&渕&秋山で初対戦だったことを告げられると「もう30年前のことなので(試合内容については)ぜんぜん覚えていない」と苦笑いの秋山選手。

しかし「三沢さんからの“秋山は攻めているときもやられているときも、もっとスピードが欲しいよね”」という試合後の手厳しいコメントを聞くと「だってデビュー16戦目ですよ、無理ですよ! それができていたらもっとすごいことになってますよ」と笑顔で自身のキャリアを振り返った。

▲身振り手振りを交えて知られざるエピソードを語る秋山選手