話の間に息抜きを入れてあげる感覚で使う

難しい大量の語彙力を駆使して難しい理論を展開するだけでは、話すこちら側だけでなく、聞いている相手も息が切れてしまいます。

時には、遊び心をにじませて、相手をほっこりとなごませ、肩の力を抜かせてしまうような言い回しも身につけるとよいでしょう。

親父ギャグを使うのが気がひけるという人でも、ひとつの言葉で2つの意味を持たせるような日本語表現をすると考えてみてください。何もギャグにする必要はありません。

私はカルチャーセンターなどの授業では、このような言葉遊びを交えて、話をしたりします。

たとえば、『論語』に出てくる最も大切な教えに「」というものがあります。

「仁」とは、一言で言えば、親子の関係の中に存在する愛情です。

平均して30歳くらいが寿命であった古代、親は大切に子どもを育てました。ところが子どもが成人して結婚する15歳くらいになると、親はもう30歳くらいになって死を迎えるのです。

親が子を想う気持ちと、大切に育ててくれた親に対しての想いは、現代よりどれほど強かったかと思います。

孔子は、こうした「想い」を他人とも共有することができれば、世界は平和で「愛」に包まれるものになるのではないかと思い、これを「仁」という言葉で人々に説いたのです。

「ジーン(仁)」としませんか?

たとえば、こんな感じです。

▲話の間に息抜きを入れてあげる感覚で使う イメージ:mits / PIXTA

笑っていただいて、ひとつでも大切なことを伝えることができれば、これほど幸せなことはないと思うのです。

平安時代の「親父ギャグ」の和歌も、つまるところは、「ふふふ」と笑ってもらって、愛を相手につなぐのが目的だったのです。

これは、かなりテクニックとしては難しいのですが、知識として知っておくといいでしょう。

日本語の教養としても大切なことなので、ぜひ覚えておいてください。