新生活が始まる4月を機に勤務時間外の生活を見直したいあなた。まずは、朝と夜の「自分時間」にはどんな特徴があるのか、どう過ごせば自分はもっと成長できるのかを知ることから始めよう。超一流の仕事人たちの生き方を観察し続けた経営コンサルタントの上野光夫氏が、成功者が実践している時間の使い方を伝授します。

※本記事は、上野光夫:著『成功者の自分の時間研究』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

早起きして充実した1日をスタートさせる

勤務時間外のプライベートな時間は「自分の時間」の宝庫です。基本、何をしても自由なので、自分のために有意義に使えます。

ところが、プライベートな時間は怠惰になってしまうことが少なくありません。もちろん、仕事の疲れを癒やすために何もしない時間も大切ですが、人生の目標を達成するためにはプライベートな時間の使い方はカギとなります。

多くの著名人が「自分の最大の敵は自分」だと語っています。自分の成長を妨げるのは、自分自身の間違った判断や不安、怠惰さなのです。

成功者には、趣味でジョギングをする人が多くいますが、マラソン大会に出ると参加者に刺激を受けたり、仲間の応援で完走できたことが多いとよく話を聞きます。

ところが、ひとりでトレーニングしていると「きついから今日はやめておこう」となるのだそうです。「自分の敵は自分」だということです。

プライベートな時間でも、自分に負けずに有意義な時間を過ごすためには、習慣化することが大切です。特に、平日の朝と夜の活用方法を習慣化できると、有意義な「自分の時間」をとることができます。

▲早起きして充実した1日をスタートさせる イメージ:Ushico / PIXTA

朝の時間は、出勤時間までの限られた時間になります。7時30分に家を出るならば、5時に起きても2時間30分です。そのうち身支度に1時間かかるとしても、1時間以上を有意義に使うことができます。

朝の時間は、暗い夜が明けて太陽の光が差してくるので、徐々に頭が冴さえてくる時間です。季節や天気によって雰囲気は異なりますが、1日の始まりを感じさせるさわやかな時間と言えます。

朝の時間は、その日の目標を掲げる、仕事とアフターファイブも含めた時間割表を作成する、通勤時間にやることを決めることなどに使うのに適しています。

充実した1日のスタートを切るために、自分を奮い立たせることが大切だからです。厳しい交渉など憂鬱な仕事がある日は、想定問答を考えるなどイメージトレーニングをすると、本番までに徐々に意気込みを高めることができます。

特に憂鬱な月曜日の朝は、週末の楽しみな予定を入れるなどモチベーションを高めて、1週間のスタートを元気よく切ることが大切です。

寝る前にインプットすると知識が定着する

夜の時間は、帰宅後就寝までが人に邪魔されない「自分の時間」として確保することができます。この時間に元気になる人もいますが、多くの人は仕事で疲れてくつろぎたいという願望が強くなります。

映画を見ながら晩酌をするとか、ゲームをするなど、娯楽に時間を使ってしまうのは無理もありません。

夜の時間は、クリエイティブな活動には適していないと言われています。特に、真夜中には、独特の雰囲気から気持ちがハイになって、日中には出ない妙な発想が浮かぶことがあるからです。

成功する人が、夜の時間にやっているのが、知識の吸収です。寝る前にインプットしておけば、寝ているあいだに知識が定着すると言われています。

また、良い睡眠のために運動もします。睡眠には、覚えておくべきことを定着させ、イヤなことを忘れて気持ちをリセットする効果もあるのです。

このように、朝の時間と夜の時間の特徴を知ったうえで、あなたに合った「自分の時間」の使い方を見出してください。

▲寝る前にインプットすると知識が定着する イメージ:foly / PIXTA