後世に残るようなソフトにして残したい

爆笑問題は今でもテレビのネタ番組のほか、2ヶ月に1回、事務所ライブ「タイタンライブ」で漫才を披露している。

「まあ、体力的に落ちてきてるのはありますね。ほら、俺の場合は出ていったら、まず客席に飛び込んで「助けてくれー!」とかギャーギャー騒いでから舞台に戻って漫才だから。もう、その時点で息が上がっちゃってるんだよね。

じゃあ、やめりゃいいじゃんって話なんだけど(笑)、あれやんないと勢いつかないから。だから、毎朝やってるトレーニング、自宅の階段の上り下りとか、腕立て、腹筋、ああいうのを増やす。自分で自分を追い込んでる、はははは!」

▲毎日のトレーニングは欠かさないという

爆笑問題は昨年9月に公式YouTubeチャンネル『テレビの話』を開設。時事問題をテーマにしたコントを毎週2本アップしている。新たな活動にも意欲を見せるなか、太田のやりたいことはなんなのだろうか。

「本当は30代のノリノリのときに、純粋なテレビのバラエティーをやりたかったんですよね。漫才・コント・歌、そういうの全部含めた、ゴールデンのバラエティ」

そう聞いて、特番で2回ほど放送された『爆笑問題の楽しい地球』という番組を思い出した。爆笑問題とゲストが、その年の出来事を題材にしたコントを披露する番組だ。

「あ、そうそう『楽しい地球』。そういうのをテレビのゴールデンでやる年齢は過ぎちゃったなと思うから、DVDでも配信でもいいんだけど、バラエティとか歌とか、そういうのを全部ごちゃ混ぜにした内容のものを、後世に残るようなソフトにして残したいって気持ちはありますね」

ちなみに、最初は映画化を目指していた『笑って人類!』。これが書籍として売れて、違ったアプローチで映画化、という線はないのだろうか。

「いやー……1回ボツ食らっちゃってるしね。どうとも言えないけど……この本がすごく売れて、幻冬舎さんが映画部門を作るくらいになったら……(担当編集者に向かって)見城さんに聞いておいてください(笑)」


プロフィール
 
太田 光(おおた・ひかり)
1965年5月13日、埼玉県生まれ。日本大学芸術学部演劇学科を中退後、88年、大学の同級生の田中裕二と爆笑問題を結成。93年度「NHK 新人演芸大賞」、2006年「芸術選奨文部科学大臣賞」受賞。2018年、オムニバス映画「クソ野郎と美しき世界」の一編、 草彅剛主演の「光へ、航る」を監督。2020年「ギャラクシー賞」ラジオ部門 DJ パーソナリティ賞を受賞。著書に『爆笑問題の日 本言論』(宝島社)、『マボロシの鳥』(新潮社)、『憲法九条を世界遺産に』(共著、集英社新書)、『違和感』(扶桑社新書)、『芸人人語 コロナ禍・ウクライナ・選挙特番大ひんしゅく編』(朝日新聞出版)など多数。