ジーターの真の後継者・アンソニー・ボルピ

ヤンキースのショートを19年間守り、通算3,495安打(歴代6位)を放ち、5度も世界一を経験し、歴代最強のチームのキャプテンも務めた、生きる伝説:デレック・ジーター選手。

彼が1995年にデビューをした際、球団からは背番号「2」が支給されました。

その際、本人は一桁背番号を支給されたことを球団の期待の表れとして捉え、それに応えるべく日々努力を重ねた、と自伝で記載しています。

そんなジーター選手の真の後継者として期待されているのが、ヤンキースの開幕ショートに任命された超有望株・アンソニー・ボルピ選手(21)。

▲ジーターの真の後継者・アンソニー・ボルピ 写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

2019年にヤンキースのドラフト1位(総合30位)として入団以来、順調にマイナーの各段階を登り(昨年は21本塁打+50盗塁を達成!)、直近では「ジーター二世」とまで呼ばれる存在になりました。

しかし、彼がニューヨークの土を踏むのは早くとも今季後半戦とされていただけに、昇格が発表された際には野球界に衝撃が走りました。

そのボルピ選手に関し、先日、興味深いニュースが発表されました。なんと、彼の背番号が「11」に決定したのです。

この11番は、現在ヤンキースで永久欠番されていない背番号のなかで最も若い番号。

ヤンキースの一桁背番号は前述のジーター氏を含め、全てヤンキース史のレジェンドらを称えて永久欠番とされていて、いわゆる「聖域」とされています。

さらに10番も永久欠番となっているため、現状支給対象になっている番号は全て11番以上。

若い番号の希少性が高いがゆえに、球団としても支給対象者を慎重に選んでいるなかで白羽の矢がボルピ選手に立ちました。

まさしく28年前のジーター選手とかぶる、そしてジーター選手からの襷(たすき)渡しとも意味する、それだけ期待がこもった背番号支給でしょう。

厳密には「0」は現在も使用されていますが、これは2019年に初めて支給された番号であり、ヤンキースではとても歴史が浅く、聖なる一桁背番号とは別で扱われています。

小ネタとして、ヤンキースの伝説の場内アナウンサ・「神の声」ことボブ・シェパード氏も、0を「番号」として認識せず、相手チームで背番号0を付けた選手を「ポジション、背番号0、選手名」ではなく「ポジション、0、選手名」とアナウンスしています。

そして襷渡しの意味合いはもう一つあります。

直近「11」を纏(まと)っていたのは、2008-2021年までヤンキース一筋で活躍をしたブレット・ガードナー外野手でした。 

▲ヤンキーススタジアムにて 写真:KZilla