内気な少女だった小島はなに託された「MC担当」

「内気なのに、アクティブ」

前回掲載のインタビューで小島はなは、自分の特性をそう言い放った。

↓毎週アメフラっシ! 第7回


「子供のころから無口だったんですよ。無口っていうか内気。それでも外で遊んだりすることは大好きだったので、本当はアクティブなんでしょうね。

だから、昔の写真を見るとすごく変なんですよ。たとえば川に遊びに行ったときとか、もう私の記憶の中でも楽しかったしかないし、体だけ見たら、間違いなく動きまわっているのに笑顔の写真が1枚もないんですね(苦笑)。

なんだろうな、心の中とか頭の中ではめっちゃ笑っているのに、カメラを向けられると、すごく引いたような表情になっちゃう。意識してそうしていたわけじゃないのに、思っていることと、実際の表情がまるで違う。そんな子供でした」

もちろんステージに立ち、カメラを向けらえる機会も増えた今では、そんなこともなくなってきたが、まだしゃべりは得意とはいえない。そんな彼女に課せられたミッション。それは「MC担当」だった。

「アメフラっシができたときに、いきなり『今日からあなたがMC担当です』と。別にメンバー全員で話し合って決めた、とかそういうことじゃないんです。大人の方が決めたことを、そういうことだから、と伝えられただけで(苦笑)。

もう『どうすればいいの?!』って感じですよ。しゃべるの苦手だし、いままでもそういう役割になることはなかったので『なんで、私が?!』って」

MC担当とは、ライブのとき、曲と曲の合間のトークコーナーを仕切る役回り、である。お客さんへの挨拶にはじまり、トークのネタ振りをし、次のイベントの告知などをして締める。だから前面に出てトークをするというよりも、メンバーのトークを「回す」のがメインの仕事。おのおのが勝手にしゃべりだして、収拾がつかなくなったときも綺麗にまとめて、次の曲へとつがなくてはいけない。

だから、けっしてトークが得意である必要はないのだが、まだ単独ライブの経験も浅く、これから自分の個性を打ち出そうと考えていた矢先に、いきなり不得意分野であるMCを任されたら、誰だって戸惑う。

おそらくスタッフとしては、それぞれに得意なことをやらせるよりも、苦手なことを克服して守備範囲を広げ、結果としてグループの総合力がアップすることを見越しての配置だったのだろう。アイドルとは成長ドラマを追いかけるのも、応援する楽しみのひとつ。本人にとってはハードルが高いが、実は正しい起用法だった。かつて、ももクロから早見あかりが脱退したとき、翌日から最年少の佐々木彩夏がMC担当を任され、泣きながらトークスキルを磨いていったことと、どこか重なる部分もある。