南海キャンディーズ・しずちゃんの初の個展となる『しずちゃんの、創造と破壊 展』が、5月3日(水・祝)から5月15日(月)まで開催されることが決定した。しかも、会場がクリエーターなら誰もが憧れる銀座三越(新館7階催物会場)ということで、個展に向けた現在の意気込みや作品の見どころなどを合同取材で余すことなく聞いてきた。

▲南海キャンディーズ・しずちゃん

個展が私の作品を知ってもらえるきっかけになってほしい

幼い頃から絵を描くのが好きだったしずちゃん。絵を描くことによって、自身の悩みや負の感情を中和することができた経験から、「作品を見てくれた人にも同じように助けになってもらえたら」という思いのもとに作品づくりに没頭してきたという。そもそも個展を開催するまでの経緯はどうだったのだろうか。

初めて個展をやらせていただくことになりまして。今まで絵が好きで描いてたんですけど、「(個展を)やらないの?」とか友達が言ってくれたりするけど、“いつかできたら”なって夢の話のような感じで思っていて。

去年の今頃、ちょうどジミー大西さんが個展をやられてて、それを見に行かせていただいたんですけど、「絵、描いてるんやろ。(個展を)やりーや。もっと追い込んでもらったらいい」と言ってくださって。私が追い込まれないと描かないとわかっていらっしゃったので、スタッフさんたちに伝えてくれたり、つないでくださったことにより、今回初めて三越というすごいところでやらせていただくことになりました。

初めての個展、初めての銀座三越、初めての追い込み。初めて尽くしに戸惑いつつも、多くの人に見てほしいという気持ちは強いようだ。

本当にどうなるのかなって。初めてのことなので、自分の作品をみんながどう見て、どう感じるのかとか。(作品の)販売もするんですけど、初めて値段がつけられて……(結果は)まったくわかんないですし、“全然ダメだったら”とか不安もちょっとあるんですが、ゴールデンウイークっていう素晴らしい時間なのが、私のことを知らない人でも「ちょっと見ようかな」ってきっかけになると思っています。

今回はしずちゃん自身の個展ということで、思い入れの深い作品も販売されることになったのだ。公式ホームページには展示される作品の一部と、販売作品(10点)が掲載されているので事前にその作風を堪能してほしい。

自信作『お鍋はおいしいね』は旦那さんに似ている(笑)

開催前から大きな反響を呼んでいる今回の『しずちゃんの、創造と破壊 展』だが、相方の山ちゃん(山里亮太)は、しずちゃんの作品をどのように評価しているのだろうか。

山ちゃんは(個展の)初日にトークショーで対談してくれるんですけど、仲良くなってきてから家に遊びに来たこともあって、私の家にある絵を見たときに「心の闇を感じるね」とか「ちょっと怖い」とか「気持ち悪い絵だね」と言ってくれてましたね(笑)。当日はどんな話するかって、まだ何も考えてないんですけど、山ちゃんがMCでいろいろ質問してくれるのかな。

「南海キャンディーズ」のコンビ愛は不変なわけだが、コロナ禍が続いたなかで、作品づくりに対するしずちゃんの心には変化が出てきたという。

コロナのときは“不安”と、でも“希望”を持ちたいっていう思いから「希望を持ってもらえる絵を作りたい」という意思が生まれて描いたんですけど、自分の奥が出ちゃってた分、悩みのほうが強く出ちゃったのかもしれない。でも、(コロナ)前より明るい絵になってる気はします。たぶん自分の状態によっていろいろ自然に変わっていくし、今後も変わるんだろうなとは思います。

(お気に入りの新作を聞かれ)カピバラなんですけど、最初は「カピバラを描こう」しかなかったのが、だんだん描きながら、いい具合の気持ち悪さっていうか(笑)、昔ほど気持ち悪くないと思うんですけど、ちょっと奇妙な感じがするような絵になったので。カピパラを描こうと思ったのは、去年、動物と触れ合うところに行ったときに“かわいいな”と思ったのと、ちょっと旦那さんに似てるなと思って(笑)。

▲しずちゃんの自信作『お鍋はおいしいね』。絵の深みをぜひ会場で見てほしい

この『お鍋はおいしいね』も展示されるのだが、一度聞いたら忘れない、インパクト大の個展名はどうやってつけられたのだろうか?

じつは最近、1年以上動いてなかったYouTubeをやってまして、YouTubeでは絵を描く縛りでやってたんですけど、そのタイトルに『しずちゃんの創造と破壊チャンネル』っていうのを付けたんですよ。なので、そのままそれを(個展に)引っ張ってきたって感じなんですけど、最初にYouTubeでそのタイトルを付けたときは、なんかすごく恥ずかしい、なんか芸術家ぶってという感じで、岡本太郎さんみたいなことを堂々と言っちゃってるのが恥ずかしいなって(笑)。

それが個展の名前にもなるっていうことで、よけいに恥ずかしい話ですけど、みんなにこのチラシ見せたら、「チラシのインパクトがすごいあるからええ」とか「このタイトルすごいね」って言われるから堂々としとこうと思います。