自分で自分の機嫌をとれる人生を歩みたい

――以前に取材を受けられた記事で「自分が発信できているのは、芯を保てているから」ということが書かれておりました。この「芯」は現在の会社に入ってできたものですか?

東堂 磨かれた部分はあると思います。今の会社に入って5年経つんですけど、この5年で大きく成長できているかなと。それまではお話したように就活で挫折したり、転職を繰り返したりと情けない人生でした。

そういう(情けない)人生を歩んでいたらと、友達と会うときに必要以上に自分を大きく見せてしまったり、ウソをついてしまったりしていたんです。自分でも情けないと思っていましたが、そうでもしないとプライドを保てませんでした。

でも、そんな自分がもうイヤだなって考えたときに、自分で自分の機嫌をとれるくらい稼いで、自分の欲しい物は買えて、生活に不自由ない人生を歩みたいなと思ったんです。この考えを持って今の会社に入ったので、それがより一層磨かれたという感覚はあります。

▲「自分で自分の機嫌をとれる人生を歩みたい」と語ってくれた

――5回の転職を経て、現在の会社に入られたとお聞きしました。1回の転職活動でもエネルギーを相当使うと思います。5回というのは、常にひとつ上のステージを目指したいという向上心からなのでしょうか?

東堂 うーん、それまでに入った会社が過酷すぎる労働環境だったというのもありますね。ストレス耐性は高くないので、些細なことでストレスを溜めてしまいがちなんです。そのストレスも自分が解決できることだったらいいのですが、圧倒的に他者からの理不尽な要求だったり、自分が売ろうとしているものは本当に社会のためになるのだろうかなど考えてしまって。

もちろん考えることを放棄して売ってもいいんですけど、私にはどうしてもそれができなかった。うまく生きる、折り合いをつけることが苦手なんです。そういう自分でどうにもならないことに力を使うなら、大変だけど転職活動をして環境を変えることにエネルギーを持っていったほうがいいなと思ったんです。

――転職を経てたどりついた現在の職場はストレスが少なくなりましたか?

東堂 そうですね。圧倒的に少なくなりました。本当に私の偏見なのですが、お給料ってその会社を表すと思っているんです。少ない会社は心が荒んで、人間関係も悪くなると思うんです。人間関係が悪くなると、責任の押し付け合い、言い合いなどがあり職場の空気感もよくないんじゃないかなと。もちろん、そうでない会社もあるのはわかってはいるので、本当に鬼のような偏見ですが(笑)。

そういう環境を経験してきたからこそ、お給料がよくて人から必要とされている会社はクリーンで、ある程度有名で、悪いことしていなくて……という感じでポジティブな印象につながっていく。だからそっちの世界に行きたいと思ったんです。

実際に今の会社は人間関係もいいです。距離の取り方がうまいんですよね。人を咎めたりはしないし、押し付け合いもないですし。ひと言でいうと、みんな大人ですね。

――職を変える、YouTubeを始めるなど、いくつかターニングポイントがあったと思います。そのポイントで交友関係は変わっていきましたか?

東堂 変わっていくというよりも、もともと友達が多くないんですね。数少ない友人たちも学生から社会人、転職など環境が変わるごとにどんどん関係性がなくなってしまいました。今は先ほど名前が出た日向くらいです。

友人は欲しいんですよ。でも、自分の性格的に難しいのかなとも思っています。さっき言った毒を吐くじゃないんですけど、思ったことはズバズバ言ってしまう性格なんです。高校は女子高だったんですけど、怖い人認定をされていました(苦笑)。

だからと言って、いじめられる対象ではなかったので、距離を置かれている感じでした。「あー、かおりさんねぇ……」みたいな(笑)。なので、学生生活も「楽しかった!キラキラしていた!」という感じではなかったですね。