3年前はまだバイトしてた

――現段階で全国ツアーはどういう感じになりそうですか?

さすけ「今はまだまだカツカツというか」

秋定「最悪1~2本ネタをやって、あとはコーナーで終わってしまうかもしれないです」

さすけ「寄席みたいに? まぁ6公演あるので、最後のNGKで一番いい状態に持って行けたらいいですけどね。このインタビューが出る頃は5月ですけど、今言えるのは全部こだわって作ってますということ。ネタだけじゃなくてポスターや使用する音楽、VTRもいろいろと演出を詰めてるので、そういうところを見てもらえたらって感じですかね」

秋定「ツアーがどうなるかは、やったことがないからわからないんですよね。どうなってるんやろうな?」

さすけ「各都市でしか出さへんネタも、もしかしたらあるかもしれない。けど、どこに来ても楽しめるので。配信もないですし、漫才とかはフリートークも入れながらできたらいいなと思います。このインタビューが出た時点で当日券とかチケットがあるようやったら、ぜひ来ていただきたいですね。なにより、あたしらが全国ツアーをやってるっていうのがちょっとおもろいなと。3~4年前とかやったら想像もできひんかったことなんで」

秋定「3年前はまだバイトしてたからなぁ。僕、バイト先で主戦力でした。マジで一軍。マンゲキ(よしもと漫才劇場)でいうところの見取り図さんみたいな立ち位置でした」

――ちなみに、なんのバイトをやっていたんですか?

秋定「牛タン店でバイトして、毎日、牛タン食ってました。オーナーから社員になるかって1回聞かれたこともあります。優秀なわけではなかったんですけどね。僕、お客さん全員に同じ態度を取るというか。イヤなお客さんがいたら敬語を使わなくなるし、お客さんが同い年くらいでタメ口を使ってきたらタメ口で喋るっていうのをやってたんです」

さすけ「『お兄ちゃん、何がおすすめなん?』って」

秋定「『え、俺? これがええけどな』とか言うてて。『ありがとう』って言われても『はい、ありがとう』って返して」

さすけ「スゴいよな(笑)。そのバイト先、芸人も多くて」

秋定「だいぶ昔でいうと、アキナの山名(文和)さんとか守谷日和さんも働いてました。3年前はバイトを辞めるか続けるかくらいのことを話してたのに、今やツアーやってるんですから不思議っすね」

――ネタ作りは時間はかかるほうですか?

秋定「どうなんやろ? 二人で作るとなるとかかってるんかな」

さすけ「そうやな。芸人の中では、わりかしネタ数は少ないほうじゃないですかね」

秋定「作っても残らんこともようあるしな」

さすけ「漫才でいうたら、自分がメモしておいたくだりをやりたいというか。入れるときはそういうものも入れるけど、今の基本はあっきー(秋定)がやりたいことを持ってきてもらってやることが多いです。で、あっきーがどうしても間に合わへんかったら、あたしが作る感じでやってます。以前は、あたしが1本作ったりもしてたんですけど、結局、ボケが作るネタのほうがおもろい。ツッコミがネタを考えると、どうしてもツッコむためにボケがボケる感じになっちゃうんで、あっきーが考えたものにツッコミだけ自分で入れるほうがおもろそうかなって思います」

秋定「昨年は自分的にサボってたところもあったんですけど、自分が芸人を始めた理由とかに立ち返ったとき、せっかくお笑いで飯食えてんねんから、自分がやりたいと思うボケをやらなもったいないなって。しかも、自分がやりたいと思ったボケとか、やりたいことや思ったことをやると褒められたりしますからね」

滝音さんへのインタビュー記事は、発売中の『+act. (プラスアクト) 2023年6月号』に全文掲載されています。