町田の『天空の城』で試合観戦!

4月上旬、町田GIONスタジアムで行われたFC町田ゼルビア対ブラウブリッツ秋田の試合を観戦しに行ってきました。

鶴川駅(小田急電鉄小田原線)を降りると、駅前からシャトルバスに乗って少し混雑した道を進みます。GIONスタジアムは町田の高台にあり、駅から徒歩圏外という都内ではあまりない立地ゆえに、『天空の城』とも呼ばれています。

▲町田GIONスタジアム 写真:M.Tamiao / PIXTA

ふと思い出す大学時代。東京出身の僕が、地方出身のチームメートに

「都内に駅から歩けないところなどない」

と声高に言った翌週に、国士舘大学の鶴川グラウンドで練習試合をすることになり、僕の言葉を信じた友人が、時間に余裕を持って到着した鶴川駅からグラウンドまで歩いたところ40分以上かかってしまい

「嘘つきが!!」

とキレられたこと。

「いや、違うんだよ! 都民は、町田を都内に含んでないんだよ!」
「いや、意味わからん!!」

と口論になったこと。

そんな国士館のグラウンドより、もっと駅から遠いGIONスタジアムは、それを逆手にとってグッズショップを武器・防具屋、ガチャガチャコーナーを遊戯場と名づけるなど遊び心があふれています。

『天空の城』と呼ばれていますが、世界観はラピュタではなくゼルダの伝説。いやゼルビアの伝説といった感じ。

また、スタジアムのすぐ横に大きな芝生の広場があり、試合が終わるとユニフォームを着たチビっ子たちがボールを蹴って走り回っていて、「これがあるなら駅からバスに乗るのも悪くないな」と思わせてくれます。

さて、なぜ僕がこの試合の観戦に行ったかというと、町田の関係者の方とよくフットサルをする機会があること。また、町田所属の黒川淳史選手、そして秋田所属の水谷拓磨選手は、どちらも2〜3回ご飯に行った縁があるのです。

特に水谷選手(以下、拓磨くん)は、前所属の長野パルセイロ時代にタイミングが合わず、一度も試合を見に行けていなかったので、ぜひとも応援に行きたかったのです。

観客席に入ると、雨が降りしきるなかでも町田側はなかなかの客入り。

僕が7〜8年前に見に行ったJ3時代とは明らかに違います。少しずつ街にゼルビアが根付いている様子にテンションが上がります。

一方、秋田側は熱を持ったサポーターがゴール裏に集結。

「ウィーアー秋田!! 俺も戦うぜ!!」

というチャントは、「俺も戦うぜ!」というフレーズがJリーグでは珍しく(闘え!と鼓舞したり、共に戦おう!と背中を押すものが多い)、サポーターが本当に少ない時代から

「ゴール裏がどんなに少なくても戦うぜ!」

と、サポーターも戦ってきたことを連想させる秋田らしい歌詞で素晴らしいです。このチャントを歌いながら歌詞カードを掲げるのも、これから大きくなっていくクラブという感じがしていいですね。

僕は雨に濡れるのがいやだったので、メインスタンド中央、ゼルビアのサポーターに囲まれている席に座ります。

黒川選手(以下、くろちゃん)はベンチスタート。拓磨くんはスタメン。

J2で首位を走る町田は、縦に速い攻撃を仕掛けていきますが、固い守備からカウンターを狙う秋田を前に思うように試合を進められません。そんななかでも僕は

「町田の27番いい選手だなぁ。平河悠選手っていうのか」

と、うれしい発見をして、周りのゼルビアサポーターと一緒に平河選手の突破に興奮の声を上げます。

そして試合が止まると、一緒にフットサルをしたり、お世話になっている先輩芸人、そして町田ゼルビアのコアサポーターでもあるサトミツさんこと、どきどきキャンプ・佐藤満春さんにラインで感想を伝えます。

サトミツさんは、この日、仕事でスタジアムには来られなかったのですが、いつも親切に返信をしてくださいます。

さて、試合は前半7分ごろ、事件が起こります。

秋田の40番・青木翔大選手が、ハーフウェイラインから放ったスーパーロングシュートが決まった!……かに思ったのですが、審判は「ゴールラインを超えていない」と判断し、ノーゴール判定に。

J2リーグはビデオアシスタントレフェリー(VAR)が導入されていないので、確認をすることができませんが、手元のスマホでDAZNを起動しリプレイを確認すると、完全に入っている。

たしかに、副審の位置的に「ゴールキーパーがブラインドになり確認するのは難しい」という見方もできますが、ラインは超えていますから明確に誤審です。それを見逃さないために主審と副審2人で見ているというのもありますし。

余談ですが、青木選手は僕の大学時代のキャプテンと高校3年間チームメート、いわば友達の友達という関係にあります。

周りの町田サポーターは口々に

「ラッキー!」
「VARなくてよかった!」

と言いますが、僕はそうは思えません。中立の立場で試合を見に来たときに、こういうことがあると事情が変わってきます。僕の心は完全に「秋田頑張れ!」モードに。

サトミツさんの

「応援よろしくお願いします!」

というラインも、一旦スルーです。