3度目のACL王者に輝いた浦和レッズ!
この優勝を物語にするなら、語り出しはどのシーンにすればいいのか。
契約満了になりながらも劇的なゴールで2021年天皇杯の優勝を勝ち取り、ACL出場権を残してくれた槙野智章選手と宇賀神友弥選手がトロフィーを掲げた歓喜の瞬間なのか。
〇第101回天皇杯 浦和レッズvs.大分トリニータ 決勝
それとも「ACLを獲りたい!」との想いで、まだまだ世界で闘える実力がありながら浦和レッズに来てくれた酒井宏樹選手の決意なのか。
興梠慎三選手がゴールに近づくことすらできず、西川周作選手が失点を喫し、関根貴大選手がカリージョ選手にこれでもかとボロボロにされたACL2019の決勝かもしれない。
大卒ルーキーやJ2所属だった選手たちを引き連れてリカルド・ロドリゲス監督が浦和に来た2021シーズンだって、この優勝の大きな伏線です。
それほどたくさんの人の想いが合わさって勝ち取った優勝だと思います。それはもちろんフロントも含めて。Jリーグで結果を残した選手ではなく、ヨーロッパで活躍する優秀な外国人選手たちを見つけて次々と補強。彼らの活躍なしでは絶対に優勝はありえませんでした。
アウェーでの第1戦を1-1で引き分け、ホーム埼玉スタジアム2002で行われる第2戦。0-0の引き分けでも優勝できるという展開になったとき
「油断してはいけない」
ということは誰もが言っていましたが、一方でアレクサンダー・ショルツ選手とマリウス・ホイブラーテン選手がゴール前に構えている状況で0-0でもいいなんて、これ以上ないアドバンテージであると僕は感じました。センターバックがこの2人なら安心して引いて守ってカウンターを狙える。
ただ、フロントに関しては思うところもありました。正直、僕はリカルド・ロドリゲス監督が好きだったし、リカさんが監督を続けていてもこの大会で優勝できたとは思っています。(昨シーズン終了後に浦和レッズはリカルド・ロドリゲス監督を契約解除、スコルジャ監督を招聘した)
しかし、リーグ戦で勝ち点を積み重ねながら、短時間でチームを掌握し、ACL優勝に導いたスコルジャ監督の手腕はすごいの一言です。
リーグ開幕戦のFC東京戦では、一体感のないハイプレス戦術でサポーターを不安にさせましたが、やりたいサッカーが短期間では仕上がらないと判断すると、即座にリカルド監督が積み上げたサッカーをベースに微調整を図る柔軟性。スコルジャ監督は名将です。
もちろん連れてきたフロントも素晴らしいし、それで勝てるようなサッカーを2年間で選手たちに根付かせていたリカルド監督の手腕もさすがでした。リカさん、第2戦の埼スタに来ていたそうですね。
おそらく、たくさんのサポーターから感謝の言葉を伝えられたんじゃないでしょうか。それほど魅力的な素晴らしいサッカーを見せてくれました。