街から感じ取れる『静岡ダービーは本物』という空気感
僕の親友は静岡県の静岡市で枝豆農家をしており、年に数回、静岡に遊びに行っています。そのたびに感じるのは、静岡はまぎれもないサッカー王国である、ということ。
日本でココだけじゃないでしょうか。私服で乗ったタクシーで運転手から
「今年のエスパルスはさぁ~」
と話しかけられるのは。(こっちがユニフォーム着てるならわかるけど!)
飲み屋に行けば、(枝豆農家【以下、枝豆】が、清水エスパルス関係の人がよく来る店を選んでいるのかもしれませんが)わけ知り顔のおじさんたちが
「今年はフロントがさぁ~」
とか、さも関係者から仕入れたみたいな顔して話をしている。それだけサッカーが街に自然に入り込んでいるのかもしれません。
カタールW杯期間中にお会いした名波浩さんは、藤枝市出身で地元で有名な天才プレーヤーでしたが、よりサッカーに集中できる環境を選ぶため、越境して清水商業への入学を決めたそうです。
そして、その日から家の電話には
「なぜ藤枝東じゃないんだ!」
「裏切り者」
といった電話がかかってくるようになったとか。
中学生の進路で、です。
ちなみに、僕はW杯のときに清水サポーターの人にお世話になることが多く、友達も清水側に多いのですが、あんなに気のいい人たちが
「ジュビロ磐田サポーターとは絶対友達になれない」
と言っていました。
1人だけ、こっそりと
「W杯期間中の現地では、お互い代表のユニフォームを着てるから、気づいてないふりして肩組めるんだ」
と少し楽しそうに言っていたのが記憶に残っています。
清水ユース出身の枝豆にしても、かなり温厚で誰とでも仲良くなれる人間性をしていますが、それでも
「学生時代、県内の大抵のチームには誘われたけど、ジュビロに行くっていう発想だけはならなかったな。子どもの頃から、磐田はナシっていうのが染みついているんだよ」
と言っていました。
「商業的に盛り上げよう」とか「これから歴史にしていこう」とチーム主体でダービーと銘打って煽るチームはたくさんはありますが、
『静岡ダービーは本物』
と、彼らの言葉から感じることができました。
〇ジュビロ磐田×清水エスパルス ハイライト 2023シーズン 明治安田生命J2リーグ 第5節