「トレードデッドライン」までに大谷選手の移籍は?
今やMLBファンのみにとどまらず、日本中が大谷翔平選手の去就の話題で持ちきりです。現地の記者やメディア媒体が「エンゼルス、大谷放出に前向き?」「あのチームが大谷獲得に興味!」「この対価なら大谷を獲得できるのでは!」などと発信すれば、ほぼタイムラグなしで日本のメディアや大谷ファンにより翻訳され、日本語でもあっという間に広まる日々。世はまさに大ホットストーブ時代の到来です。
そもそも、現所属球団のロサンゼルス・エンゼルスがプレーオフを本気で目指すか否かが不確定なので、大谷選手がトレードで放出されるのかすら不明な状態です。しかし、現状アメリカンリーグ15チーム中10位(日本時間7月23日現在 / 最後のプレーオフ枠を有するブルージェイズと4ゲーム差)であり、打線の要となるマイク・トラウト選手が不在であることを鑑み、エンゼルスの来期以降の長期プランも考えると、大谷選手の放出による優良株獲得が得策と言えるのではないでしょうか。
実際、エンゼルスが大谷選手のトレードを決意した場合、プレーオフを目指すチームにとっては、これ以上のない朗報でしょう。MLBでは「トレードデッドライン」という、シーズン中のトレードが認められる期限日(日本時間8月2日午前7時)があり、多くのチームはこの日までに“買い手”(プレーオフを目指す=若手有望株を放出して戦力補強をする)、もしくは“売り手”(プレーオフを諦める=将来を見据えて現状の戦力を放出し、若手有望株を獲得する)のどちらかに舵を切ることが一般的な戦略です。
エンゼルスが売り手に回った場合、多くの買い手チームが大谷選手の獲得を目指し、壮絶な若手有望株パッケージの入札戦争が始まるでしょう。
現状、大谷選手の獲得の最有力候補として挙げられているのは、シンシナティ・レッズ、(先日、藤浪晋太郎選手を獲得した)ボルチモア・オリオールズ、テキサス・レンジャーズです。
報道ではニューヨーク・ヤンキースやロサンゼルス・ドジャースといった人気球団も名前こそ挙げられているものの、苦戦続きのヤンキースは売り手に回る可能性が高いとされています。ドジャースはエンゼルスと同じ在ロサンゼルス球団であるため、(エンゼルスの)オーナーのアート・モレノ氏が候補先から除外しているとの報道があり、他球団より可能性が低いでしょう。
このように不確定要素が多い状況にも関わらず、各球団が大谷選手を獲得するために必要な若手有望株パッケージのトレード案や考察がテレビやネットで広まっています。しかし、こればかりは今年のトレードデッドライン(日本時間8月2日午前7時)にならないとわかりません。それまでは日本中および世界中のファンが大谷選手の運命の行き先を手に汗を握って待つことでしょう。