メールや企画書、報告書など、仕事で文章を書く機会は意外と多い。しかし、多くの人は学校で文章の書き方を習ったわけでもない。自己流で書きまくった結果、長文になりすぎてしまい、結局何が言いたいのかよくわからない文章になってしまう……。そんな悩みをもつ人は多いだろう。ではどうすればいいのか――? 日本語の専門家としてテレビでも人気の山口謠司氏が解決法を伝授する。

※本記事は、山口謠司:著『言葉を減らせば文章は分かりやすくなる』(ワニブックス刊)より、一部を抜粋編集したものです。

文章は削れば削るほどわかりやすい文になる

文章に余計なものがあると、本当に伝えたいことがわかりにくくなります。しかし、「文章を削ってスッキリさせたいけど、ムダな部分がわからない」という人は多いもの。

文章を細かく消していくには勘所があります。一文の中には、探せばムダな言葉が多く含まれているのです。

そこで、今回は文章を削るポイントをカンタンなものに絞っていくつかご紹介いたします。

言葉が少なくなると、情報不足でわかりにくくなるのではないか、と心配する人もいます。しかし、削っていい所が自分でわかるようになれば、必要な部分は残した文章が出来上がります。

要点だけが目立つ、短い良質な文章が書けるようになるのです。

ただ漠然と文章を書いても相手には伝わらない イメージ:PIXTA

「方」 「かどうか」 「ような」 は削りやすい

文章を書いていると、気づかないうちに不要な言葉を入れてしまうことがあります。

その原因には、より情報を詳しく伝えたい。断定してもいいのか迷っている。会話のときに使っている言葉のクセが出てしまう――などがあります。

無意識に行なっていることなのでなかなか気づけませんが、確実に必要がない言葉が存在します。その場合は、文章の中の要点に注目し、それを伝えるために「この言葉は本当に必要なのか?」と考えてみることです。

その代表的なものに、

「〇〇の方」
「〇〇かどうか」
「〇〇のような」

があります。

「企画書の方はご確認いただけましたか。」
 ↓
「企画書はご確認いただけましたか。」

「販売促進で広告を出すかどうか悩んでいます。」
 ↓
「販売促進で広告を出すか悩んでいます。」

「成果を阻害するような要因には、目をそむけたくなります。」
 ↓
「成果を阻害する要因には、目をそむけたくなります。」

多くの場合、このように削っても全く問題ありません。