気象予報士は準備が9割

――『グッド!モーニング』のお天気コーナーに出演するうえで、心がけていることはなんですか?

今井 朝の番組なので、まずは元気よく! あとは、ゆっくり話すというのは大事にしています。普段喋っているスピードの5倍ぐらい遅くしないと聞き取りにくいかなって。お仕事や学校の準備、朝ごはんの支度など、皆さん何かをされながら天気予報を聞いてくださっていると思うので、できるだけゆっくり、難しい言葉を使わないようにして伝えるように心がけています。

――だから聞き取りやすいんですね。

今井 そう思ってもらえていたらうれしいです。気象用語は難しい言葉も多いので。例えば、台風の際に使われる「暴風警戒域」など、早口で聞いたら「ん? なんて言ったの?」となってしまうかもしれませんよね。

あとは「県名」も早口になってしまいがちです。東京とか山梨とか言い慣れている言葉だと、知らないうちに早口になっていることもあります。

でも、番組を見てくださっている視聴者さんは、自分の住んでいる地域に雨の予報や警報などが出ているか知りたいと思うんですね。なので、自分に「ゆっくり言うんだよ」って心の中で語りかけています。

――なるほど。出演される際にはいろいろなことを考えているんですね。

今井 そうですね。もちろん、番組に出演して視聴者の方に気象情報をお伝えするのも大切ですが、番組が始まるまでの情報収集も大切だと思っています。「気象予報士は準備が9割」と言ってもいいかもしれません。

 

――「気象予報士は準備が9割」。すごくいい言葉ですね。

今井 極端なことを言えば、番組開始1 秒前に天気が変わってしまう可能性もありますから、本当に直前まで気が抜けないんです。実際に準備していた原稿が無駄になることもあるから困っちゃいます。

ただ、最新の天気をお伝えしないと、気象予報士のいる意味がなくなってしまいます。天気予報ってネットやアプリでも見られるじゃないですか? だからこそ、私は自分の言葉でリアルタイムの情報をお伝えするというのを大事にしています。

――一緒にお仕事をしている先輩の依田司さんはどんな方ですか?

今井 本当に優しい方なんですよ。番組を見てくださっている方はわかると思うのですが、あのままの雰囲気をお持ちですね。以前、1週間くらい依田さんの側で学ばせていただいたことがあるのですが、番組開始の1分前まで私に指導してくださいました。

――そこまで冷静だと、逆に今井さんが焦っちゃいませんでしたか?

今井 本当にそうなんです! 「依田さん! 1分前ですけど大丈夫ですか?」って私がオロオロしちゃいました(笑)。

――でも、近くに素晴らしい目標となる先輩がいるというのはいいことですよね。

今井 大先輩なので、今は背中も見えていないです。でも、近くでお仕事ぶりを見させていただいたからこそ、いつかは依田さんみたいなりたいなと。そのためにも一生懸命に頑張らなくてはと思っています。