現代野球で黄金期を迎えつつある仙台育英

次にあげたいのは、昨年夏の甲子園の優勝から黄金期を迎えつつある仙台育英だ。

ここ2年、夏の甲子園で優勝・準優勝している強さはもちろんのこと、今後の希望的観測も含め、今の仙台育英は中長期的な強さを誇るだろう。

昨年の仙台育英は、5人の投手陣はもちろんのこと、チーム打率.397を誇り、主軸の選手は当時2年の選手が多かった。

その翌年となった今年の夏の甲子園も、投打ともにハイレベルな選手をそろえて準優勝した。

球数制限が設けられる前の2019年から複数人の投手陣を形成しており、前準備から強さの予兆を感じられたチームだった。

2022年夏からは下記の成績を残している。

・2022年夏の甲子園優勝
・2022年国体初戦敗退(相手は明治神宮大会・春の甲子園・国体三冠の大阪桐蔭)
・2022年明治神宮大会ベスト4
・2023年春の甲子園ベスト8
・2023年夏の甲子園準優勝

さらに、2019年からは春又は夏の甲子園でベスト8以上を記録している。

須江航氏が就任してからは、安定した強さを誇っているため、大阪桐蔭と同様に長期間トップに君臨する可能性は高いだろう。

甲子園を味方につけた斎藤佑樹を中心とした早稲田実業

斎藤佑樹を擁した2006年の早稲田実業は、駒大苫小牧の夏の甲子園3連覇を阻止した。

今年の慶應のように早稲田実業が勝ち上がると、斎藤の注目度は高まり「ハンカチ王子」とも称された。

この年の早稲田実業は、斎藤佑樹が全てのアウトを記録し、ほぼ1人で投げ抜いた。

そのイニング数は脅威の69回。今の高校野球においては賛否が分かれるが、一発勝負の甲子園では一番実力のある投手が投げ続けることが、勝率を上げることにつながることは確かだ。

早稲田実業は派手さがある打線だったわけではないが、エースを中心としたチームで勝ち上がった。

甲子園の予選である西東京大会で接戦を経験。西東京大会の準決勝、春季関東大会に出場した日大鶴ヶ島戦ではサヨナラ勝ちを収め、関東大会で優勝をしている日大三との決勝では、延長11回までもつれる試合を競り勝つ形で、甲子園を決めた。

早稲田実業は、西東京大会での戦いを経てひと回りもふた回りも強くなったことが、甲子園での強さの要因だったのではないだろうか。