最終期限は2週間、ラストチャンスは30回

私が仮免許を取ったことを知った友達は、みんな「だったら、すぐに免許取れるじゃん!」なんて言っていた。

しかし、私にとってはそうじゃない。
むしろ「ここからなんだって!」ってことです。

鬼門となっていたのは、やはり最後の学科試験。しかも、仮免許のときは50問だったけれど、本免許取得試験になると100問(90点以上合格)になる。

さらに、これまでに仮免許取得試験に数十回も落ちていた私だというのに、有効期限が残り2週間と迫っていたのです。このままだと、最初から全てやり直しという、非常に面倒な事態に……。

その本免許取得試験(学科)は、1日に2回開催されます。
ということは、残りのチャンスは約30回。

さすがに30回も受けたら、どこかで同じ問題も出たりするはずだから合格するっしょ! なんて舐めた気持ちも少なからずありました。

ってことで、まずは1回目の試験当日。

まさかの……寝坊。
ちょいちょい! 何をやっているんだ私は!!

▲大事なときに限って寝坊をしてしまう 画 : BABI

これで貴重なチャンスを1回棒に振ってしまったため、せめてその日の2回目の試験には間に合うよう、着の身着のままタクシーに飛び乗る。しかし、自宅から試験場までの片道料金は約6,000円……。

今後絶対に寝坊しないという自信もなかったし、このままこんな日々を繰り返していたら試験の合格どころかお金が破綻してしまう。

そう考えた私は、きっとその日の試験も落ちるだろうから、そのまま試験場の近くのビジネスホテルに2週間こもって、そこから毎日通ってやる! と決めたのでした。

試験場に到着後、受付のお姉さんにも「たぶん今日の試験に落ちるので、近くのビジネスホテルを教えてもらえますか?」と話した。

お姉さんは「何言ってるの、きっと受かるわよ」と励ましてくれた。
試験官のお兄さんも、期限が迫っているのはわかっているから「大丈夫だと思うので、頑張ってくださいね」と声を掛けてくれた。

そんなふうにみんなに背中を押してもらいつつ、学科試験までのあいだに喫煙所でタバコを吸いながら友達に電話した。

BABI「今日試験だけど、たぶん落ちるからそのままビジホに泊まることにした」
友達 「そうなんだ。あと学科だけだっけ?」
BABI「そう」
友達 「そういえば前に話したとき、BABIの解答の傾向が少しわかったかも」
BABI「どういうこと?」
友達 「BABIはこういう問題で間違うことが多いから〜〜〜。まあ、試験場の問題って基本的には3つくらいパターンがあって〜〜〜。とにかくこのパターンが出たらバツに解答しておけば大丈夫だから。それだけ頭に入れて頑張ってよ」
BABI「そうなんだ。よくわかんないけど、わかった」

そして、まずは29回のうちの1回目の試験に臨んだ。

友達からの助言を胸に問題用紙に目を向ける。
ちょっと待って! 傾向とか対策とか以前に、原動付自転車関連の問題ばっかりで、ぜんぜんわかんないんだけど!

それでもなんとか最後まで進めていき、確実にわからないものが15個ぐらいはあって。だったら、全部バツにしとけ! ということで終了。

最後まで記入はしたけれど、もちろん手応えはなし……。
〇かXかの2択がこんなに難しいとは……。