毎日のようにコロナウイルスによる死亡者数が報道されています。“死”が身近に感じる今だからこそ聞きたい、あの世とこの世の不思議なメカニズムを、東京大学名誉教授でもある矢作直樹先生に聞きました。あの世に行ったら会いたい人に会えるの? 持っていけるものとは?

※本記事は、矢作直樹:著『「死」が怖くなくなる50の神思考』(ワニブックス刊)より、一部を抜粋編集したものです。

お互いが「会いたい」と思う関係性を作ろう

あの世はこの世の投影です。この世での人間関係が、あの世に引き継がれます。つまり、この世で仲良くしていた家族や友人は、あなたに会いたいと思っているでしょう。そうであるならば、あの世で会えるでしょう。

そして、あなたは会えなかった年月の近況報告をするかもしれませんが、彼らは全てあの世から見ていたので知っています。それでも、あなたは積もる話をするかもしれませんね。それはそれで、楽しいかもしれません。

しかし、人間関係が上手くいっていなかった人とはなかなか会うことができません。それはこの世でも同じことです。あなたも嫌いな人とは敢えて会いたいとは思わないでしょう。

ここで一つだけ注意が必要です。あなたが会いたいと思っていても、相手が会いたくないと思っていれば、会えないかもしれないのです。つまり、人間関係が上手くいっているとあなたが勘違いしている場合です。

それは夫婦だろうと、友人関係であろうと同じです。だからこそ、この世にいるときにきちんとコミュニケーションをとることが大切なのです。仲が良いはずだと、あなたが勘違いしている場合もあるからです。

お互いが「会いたい」と思う関係性を作ろう イメージ:PIXTA

つまり、「あの世へ行ったら、会いたいすべての人に会える」というわけでは、残念ならありません。正直に申し上げると、あなたが会いたいと思っていても、相手がどう思っているかわからないからです。

しかし、安心してください。仲良くしていた人とは会えますので。

記憶と経験は「得意なこと」に繋がる

「あの世はこの世の投影」と書きました。では、この世で一生懸命勉強したことは、あの世でも役に立つのでしょうか?

不思議なもので、人には誰でも得意なことがありますよね。なぜなら、今まで何回もこの世に生まれてきて、さまざまな体験をしているからです。

たとえば、あまり練習をしていないのに、ピアノがとても上手に弾けるとか、国語は苦手だけど、なぜか数学は良くできるとか……。

つまり、あの世には記憶と経験は持っていくことができるのです。

ですから、すべてを上手くやる必要はありません。自分が少しでも好きなこと、得意なことを一生懸命に取り組むことが大切です。好きな科目だけでもいいので、どうか楽しんで勉強してください。でも受験勉強や就職試験などの場合、好き嫌い関係なく、ある程度の科目をまんべんなく勉強しなければいけないのでしょう。

あの世で役に立つのかどころか、この世でも役に立つかどうかわからずに、勉強するのはつらいかもしれません。しかし、気楽に考えてください。勉強はゲームのようなものです。そう思って、まず毛嫌いしないことが大切です。「教科書を1ページ読んだら、1ステージクリア!」くらいに思って、とにかく楽しくやってください。

そして、テストの点がもし悪かったとしても、劣等感や罪悪感を持たないでください。新しいことを知るのは自分に自信を持たせることです。ですから、点数で一喜一憂しないでほしいのです。

記憶と経験は「得意なこと」に繋がる イメージ:PIXTA

あの世に持っていけるのは記憶と体験です。ですから、劣等感のような記憶は持たなくていいのです。

そして、いやいや勉強するというような体験も不要だと思うのです。どうせ勉強するなら、新しいことを知る喜びの体験に変えてみてはいかがでしょうか。すべての科目とはいいませんが、好きな科目だけでもいいので、楽しんで勉強してください。