自殺は「振り出しに戻る」と同じ
あの世の話をしましたが、では自殺をすると成仏できないのでしょうか。
寿命というのは自分で決めてくるといわれていますから、自殺は別のパラレルワールドを選んでしまうことなのかもしれません。
生まれてくる前に、自分の寿命とテーマを決めるということは、自分で作った人生ゲームをプレイしているといえます。ただ、そのときどきに自由意志を使ってさまざまな選択をしますので、決まっているのは大枠だけです。
自殺という選択は「振出しに戻る」ことと同じなので、「あがり」ではありません。せっかく、ここまで進んで、ゴールはもう少しだったのに、なぜ振出しに戻ってしまったのか、一番後悔するのはゲームを作った自分ではないでしょうか。
また、あの世とこの世のメカニズムをご理解いただければ、急ぐ必要はないというのが答えです。私も帰れるものなら、早くあちらへ帰りたいですが、それはゲームを途中で止めたことだと知っているので、それをしないだけなのです。
お迎えがくる日まで後悔ないよう生きる
日本の自殺者数は年間約2万人です。毎日50人以上の人が自ら命を絶っているということは由々しき問題です。しかし、デフレが始まった1998年から2011年までは3万人以上で推移していました。つまり、東日本大震災以降、自殺者数は減り続けているのです。
東日本大震災は日本人の意識を大きく変えました。もちろん、亡くなられた方や被災された方も多いので、「良かった」とは言えません。しかし、多くの日本人が本来の強さや優しさを取り戻すきっかけにはなりました。暴動も起きず、礼儀正しく並んで配給を待つ姿が、世界中の人の心を打ったのです。
私の友人も東日本大震災以降、通っていた心療内科に行くのを止めた人がいました。仕事や人間関係で行き詰まり、薬を処方してもらっていたそうです。しかし、あの大惨事を目の当たりにして「自分の個人的な問題で悩んでいるのが恥ずかしい」と思ったそうです。
世の中には生きたくても生きられない人がたくさんいます。ですから、きつい言い方にはなりますが、自殺を考える人は、それだけ余裕があるのです。それこそ、津波が来たら、高台へ逃げる。地震が来たら、なんとか安全な場所へ避難する。食べ物がなければ、お腹が空いても我慢する。こういうことに直面している人は自殺を考えません。
ですから、昔からいわれていることですが、つらいときは「世の中には、自分よりもつらい人がいる」と考えたらどうでしょう。
いずれにしても、自分が後悔しないように、お迎えが来るまで、この世にいてください。