「アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」は、基本的に24歳以下で構成されたチームによる、アジア地域における若手選手の育成を目的とした野球の国別代表の国際大会。第2回大会が11月16日(木)より開幕となる。新監督に就任した井端和弘氏が率いるチームは、前回に続き優勝を勝ち取れるのか。

次のWBCで主力になる選手をみつける若手発掘の場

監督の人選を振り返ると、栗山英樹氏の後任がなかなか決まらない状況が続いたが、最終的には井端和弘氏が就任した。

これまで若くして監督を務めた小久保裕紀氏(2013~2017年)、稲葉篤紀氏(2017~2021年)といった面々を見ると、就任してから序盤は現場の経験不足(采配など)が露呈した。

しかし、井端氏はコーチとして前回大会はもちろんのこと、プレミア12や東京五輪といった国際大会を経験している。

▲東京五輪のチームでコーチを務めた井端弘和氏 写真:アフロスポーツ

その他の首脳陣を見ると、新しい顔ぶれも多いが、金子誠氏や村田善則氏といった稲葉政権からのメンバーもいる。

ただ、小久保氏や稲葉氏の就任当初の采配を見ても、世界トップのナショナルチームで指揮を執るプレッシャーや準備期間の短さなどで難しい部分がある。現場の経験があるとはいえ、監督はまた違った重圧があるだろう。初期段階で見受けられる多少の采配ミスは想定に入れておかなければいけない。

最終的に小久保氏はWBCベスト4、稲葉氏はプレミア12初優勝、東京五輪金メダルに輝いているため、野球ファンも中長期的な視点で見ていくべきだろう。

前回大会で初代王者に輝いた日本は、牧秀悟(横浜DeNA)や田口麗斗(ヤクルト)などフル代表で国際大会に出場した選手もいる。

こういった選手たちがいるのは頼もしい限りだが、この大会はあくまで若手発掘の舞台が相応しい。

大会2連覇を期待されているが、次のWBC(2026年開催予定)で連覇を果たすことが最終的な目標のため、この大会では2026年に主力級に育ちそうな選手を見極める場になるだろう。

牧の場合はWBCからシーズンまでフル稼働していたため、疲れがあるなかでの参加にはなるが、この大会では格の違いを見せてほしいところだ。

また最年長の田口は、前回大会の経験者ということもあり、積極的に選手とコミュニケーションをとっているのがわかる。

任されるのは、おそらくクローザーの役割になるだろう。最終回の場面で日本を勝利に導くピッチングに期待していきたい。