セ・リーグ優勝の阪神タイガースとパ・リーグ優勝のオリックス・バファローズの対決となった2023年の日本シリーズ。3勝3敗のタイで迎えた第7戦。この最終戦を7対1で勝利した阪神タイガースが38年ぶりの日本一に輝いた。接戦となった今回の日本シリーズのポイントをゴジキ氏が解説する。

▲阪神38年ぶりの日本一に歓喜するタイガースファン 写真:アフロ

阪神打線がオリックスリリーフ陣を攻略した第5戦が鍵

阪神タイガースの38年ぶりの日本一で幕を閉じた2023年の日本シリーズ。この日本シリーズでポイントとしてあげたいのは、やはり第5戦だ。

この第5戦こそ、今年の阪神の強さを象徴するゲームだったに違いない。

2点ビハインドで迎えた8回、シーズンは怪我や故障に苦しんだ湯浅京己が完璧なリリーフを見せて、流れを一気に引き寄せた。

この試合は甲子園での試合ということもあり、オリックスからするとリードをしていても、常に阪神の勢いを感じる試合だっただろう。

オリックスは、好投をしていた先発の田嶋大樹から山﨑颯一郎にスイッチ。ここで阪神打線が、山﨑颯に畳み掛けるようにプレッシャーを与える。この回の先頭打者は日本シリーズで大当たりの木浪聖也。その木浪が内野安打とエラーで出塁。

さらに、代打の糸原健斗がレフト前に落ちるポテンヒットでチャンスを広げた。阪神からすると、この回が勝負と踏んで、当たっている木浪が出塁すると、すかさず相手から厄介な存在である糸原を代打で起用。これが見事に的中した。

さらに、この日本シリーズでMVPに輝いた近本光司がきっちりとタイムリーを放ち1点差に。

中野拓夢がバントで送ったところで、オリックスはここまで何度もチームを救っていた宇田川優希をマウンドにあげる。

しかし、阪神の勢いを止めることはできず、森下翔太が逆転となるタイムリースリーベースを放つ。このしびれる場面でルーキーが大仕事を成し遂げた。

さらに、第4戦でサヨナラタイムリーを放った大山悠輔もタイムリーを放つ。その後も、得点を積み重ねていき、この回だけで6点をあげる。

最後は守護神の岩崎優がきっちり締めて、甲子園で王手をかける形になった。

この試合では、昨年終盤からオリックスを支えていた山﨑颯や宇田川、阿部翔太のリリーフ陣から得点をあげており、6戦目以降で起用しづらい印象を与えたのが大きかった。