通常の生活状態に戻るまで最低6ヶ月

このような閉塞状態が続く中で、ロンドン市民はどんな生活をしているのか?

1日1回運動目的での外出は認められているため、自宅前でストレッチをする人や、公園では2mほどの間隔をあけマラソンする人々や、道路でもランニング、サイクリングをする人々も見かける。

しかし距離が近すぎるとお互いに「もう少し離れて」と呼びかけるなど、良くも悪くもピリピリとした雰囲気が漂っている。

筆者の働いている現地企業では、幸いなことに、どうしてもオフィスで作業しなければならない職種ではないため、政府の在宅勤務要請が出る数日前に在宅勤務に切り替わった。

そこから同僚、友人にも物理的に会わず、スーパーへの買い物以外は極力出かけない状態がすでに3週間ほど経ち、先行きの見えない不安との戦いに今までにないストレスを感じていることは確かだ。

幸い、現地企業には同僚の日本人もいるので、不安や今の生活の知恵を日本語で話せることだけでもありがたい。もし、これが日本人以外しかいない企業だったら、本当に心の底からの共感や自分の感情を適切な言葉で表現するには至らないと思う。

日本にいる日本人と話すのとは違う、実際に同じ時を経験している日本人と話せるだけでだいぶ救われているのが現状だ。

すでにこの影響で失業、一時休業となったサービス業(パブ、カフェ、レストランなど)の友人や、予定されていた仕事が当分キャンセルになったフリーランスの友人も出てきており、来月の収入がゼロという窮地に立たされている人々が続出している。

英政府は当初、雇用者に向けてセーフティネットを発表したが、多くの批判を受けフリーランスの人々まで給料の80%の賃金保証(最高額£2,500/月)を拡大した。しかし、2019年4月以降フリーランスになった人々は対象外、早くとも6月まで支給開始は不可能であり、手放しでは喜べない。

29日、副主任医務官のジェニー・ハリーズ医師が、イギリス全体が現在の努力を続けた場合でも、通常の生活状態に戻るまでこの先最低6ヶ月はかかるだろうと見通しを発表した。

いまの状態は、まだまだ長い戦いの始まりにすぎない。カラッとした青空の下でのピクニックやパブで飲み明かすことのできる、平穏な日がきて欲しいと切実に願う。