『大喜る人たち』に出てほしいのは渋谷凪咲さん

小川さんが今まで見た大喜利プレイヤーのなかでスゴいと思った人は? と聞いてみると、「みんなすごいですけどね…」と言いつつ、「自分が知らなかった人では、ミネさんがすごいと思いました」と答えてくれた。

「出演者を募集をしたときにいらっしゃって、僕は全く知らなかったんです。でも、いざ答えてもらったら面白すぎましたね。“なに、この回答?”って思いました。すごい変だし、意味わかんないけどすごい面白いなって。最初に見たときは衝撃でした。こんなに面白い人いるんだって思いました。この前のトーナメントでも2位でしたし、もっとちゃんと売れていい人だと思います」

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改めて、小川さんに大喜利の魅力を聞いてみると「即興性」と即答した。

「何が起こるかわからない、たまにうまくいかないこともあるし、奇跡みたいな瞬間が訪れることもある。お題によって活躍する人が違うっていうのもいいですね。芸人さんが強いときもあれば、アマチュアが圧倒的にウケることもある。ジャイアントキリングが起こることもあって、何が起こるかわからないのが魅力です」

芸人以外で『大喜る人たち』に出てもらいたい人を尋ねてみた。

「理想を言えば渋谷凪咲さんですね。もちろん出てほしいです(笑)。芸人さん以外にもいろんな方に出てほしいですね。アイドルの方とかも大喜利やってるので、そういう回があってもいいかなと思いますね」

小川さんが作品を作るうえで影響を受けたのは、映像作家の柿沼キヨシさんだという。

「『Aマッソのゲラニチョビ』を見て感銘を受けました。芸人のYouTubeっていうのが、まだあまりなかった頃に、YouTubeっぽさも取り入れつつ、芸人の面白さも引き立てる編集をしてるのを初めて見たんで、“すごいな!”って思いました。

当時、芸人がYouTubeをやると、テレビっぽくしすぎちゃうか、編集が下手でダサいか、そのどちらかだったんですけど、柿沼さんが作る映像はスタイリッシュかつ、ジャンプカットとかテレビではあまり見ないような編集をして、お笑いの面白さも引き立たせていた。オシャレさと面白さがちゃんとありましたね。一時期、柿沼さんとも一緒に仕事させてもらってました」

確かに『大喜る人たち』の動画を見ていると、お題のテロップ一つとってもオシャレで、既存のお笑い番組とは一線を画している。

▲大喜利イベントの様子

『M-1』のような大会にしていきたい

「トーナメントの規模を大きくしていきたい」と野望を語ってくれた小川さん。昨年、開催された『大喜る人たちトーナメント2023』は、やりがいを感じたが苦労もたくさんあったそうだ。

「めちゃめちゃ面白かったですね。だけど、それをはるかに上回るくらい大変でした。正直、いろんな後悔が残ってます。想定の半分もできてないです。芸人さんのエントリー数も少なかったですね。僕の気持ち的には、M-1のように“芸人さんなら必ず出る”という感じで、魅力のある大会にしていきたいです。できることなら、一時期の『ダイナマイト関西』に並ぶくらいの大会にしたいですね」

ネット大喜利が普通になった世の中でも、『大喜る人たち』は参加する敷居が低いと感じる。そんなに殺伐としておらず、みんなで楽しく大喜利をしている印象があるからだ。今後、トーナメントも芸人以外の職業からも参加者が出るような大きな大会になっていってもらいたい。

最後に「好きなことを仕事にする」という言葉への印象を聞いた。

「僕は“好きなこと以外、仕事にしたくない”ですね。そうするために、ちょっとずつ努力してきました。最初はいろんな映像の仕事をしてたけど、だんだん絞って、お笑いじゃないけどバラエティにシフトしていったり、徐々に自分が好きなお笑いに近づいていきました。

カッコつけてる感じに聞こえるかもしれないですけど、やりたいことがあるなら自分で作っちゃうのが一番早いと思いますね。僕はそうしてきましたし、自分で作れる世の中になってきているので。少しづつでも自分のやりたいことに近寄っていけばいいと思いますね」

(取材:山崎 淳)


プロフィール
 
小川 悠介(おがわ・ゆうすけ)
大喜る人たちを運営しながら、フリーでお笑い芸人のYouTubeやライブの撮影編集をしている。X(旧Twitter):@ogawaogawayu、YouTube:大喜る人たち