単独ライブ中にアキレス腱断裂……

――毎年、複数公演されていますけど、最初から決め打ちでやっているのですか? それともライブごとに変化していくのですか?

高佐 変わっていくっちゃあ変わっていくよね? 日替わりのギャグコーナーみたいなものがあるんですけど、そこは毎回違いますし、普通のコントもブラッシュアップしていったり。過去には、1つのコントが丸々なくなったりすることもありました。あと昔、尾関がアキレス腱を切ったことがあって、次の日から構成を変えたこともありました。

尾関 アキレス腱が切れたその日のライブは、切れてからも全部やりきりました。10本中2本目くらいのコント中に切れてしまって。

高佐 いや、違うでしょ。8本中5本目くらいです。すげぇ頑張った感出してるけど盛り過ぎです! 僕は気づかなかったんですけど、一番うしろの席で見てた事務所の当時の社長が“尾関、アキレス腱切れたな”ってすぐ気づいて。

尾関 タクシーを呼んでくれて、終わってすぐ病院へ行けました。まぁ、それもいい思い出ですよ。

高佐 ポジティブだなぁ! あと、コントとコントの合間、青い照明のなかで次の衣裳に着替えて板に付いてコントを始めるっていうのを、10年前くらいからやってるんです。

――幕間はVTRでつなぐ芸人さんも多い印象ですけど。

高佐 そうですね。だから、VTRを作らなくてもいいんですけど、出ずっぱりになるので年々大変というか。如実に体力がなくなって疲れやすくなってるので、90分間、完走できるのかって不安があります。尾関はなんかやってる? 普段からジムに行ったりしてるのか。

尾関 そうだね。あと、よく寝てよく食べて元気に家族と過ごしてる。ストレスがないのが一番なのかもね。

高佐 僕、昨年は単独の3か月くらい前からプールに行ったり走ったりしてたので、肺活量が大きくなったんです。けど、やり過ぎて免疫力が下がったのか、風邪を引いてしまって。だから、適度にやらないとですね。

――単独で披露するネタは、賞レースも意識して作られるんですか。

高佐 いえ、できてやってみてから、これはいけるかもねっていう感じです。

尾関 ウケても賞レース向きではなかったり、我々が思ってなくても周りから「このネタいけるよ」って言われて、賞レースでやることもありますからね。単独をやり続けているのはいろんな理由があるんですけど、芸人として一番大事な根本だから。単独をしなくなったらネタも作らなくなるだろうし、芸人としての維持もできなくなるんじゃないかと思うんです。

実際、テレビで売れている以外の理由で単独をしなくなった人って、芸人としてのパワーがなくなったり、動きがなくなったりしてるなと感じることが多いですしね。

高佐 あとはまぁ、単純に楽しいからっていうのが大きいですね。今でこそ5月に単独をやるようになりましたけど、以前は9か月くらいに1回のペースで、不定期に7月だったり翌年は1月だったりとか、固定せずにやってたんです。

けど、いつもお世話になっている舞台監督さんから「固定したほうがお客さんも来やすいし、ライブとしても大きくなっていきやすいよ」とアドバイスをいただいて。だから、昨年の単独が終わってすぐ、同じ劇場の同じ時期を今年も押さえてもらいました。

尾関 単独をやり続けられるのって、我々だけじゃなく周りの人が手伝ってくれないと成り立たないじゃないですか。やり続けていると、そういう人たちと一緒に動いていけるというか、全体的なものを維持できるんですよね。

高佐 ありがたいよね、毎年やらせてもらえるだけでも。「やりたい」と言っても「ダメだ」と言われてる人もいるかもしれないもんね。事務所がライブに力を入れてくれてもいるし、20年経っても応援してくれてる感じがあるのも大きいかもしれないですね。

ザ・ギースさんへのインタビュー記事は、発売中の『+act. (プラスアクト) 2024年4月号』に全文掲載されています。