動物は「群れ」のために死ねるが人間は…?
人間以外の動物は、死ぬことが怖くありません。
たとえば、サケは卵を産むために川に帰ってきますが、オスとメスはお互いに相手を見つけると、メスが川の底に穴を掘り、オスがそれに寄り添い、産卵・放精をします。
産卵が終わると、エネルギーを使い果たしたサケは、数日後にメスもオスも同時に死んでしまいます。同時ということは、病死などではなく自らの意思(本能)で死んでいるということです。
次に、哺乳動物の場合です。哺乳動物のメスには生理がありますが、メスは自分の生理が終わるとほとんどの場合、自殺します。一般的に、野生のメスは群れから離れて、何も食べずに餓死するのです。
群れの食料は一定です。自分が生きていると子どもたちに食料が行き渡らないので、生理が終わったメスは群れを離脱するのです。子どもを産んでないメスでも、生理が終わったらもう自分には役目はないと考え、群れから離れて、餓死します。
オスの場合は、メスより10年ぐらい前に死んでいきます。
人間の女性が、生理が終わっても生きているのには理由があります。人間社会は、高齢の女性を必要としているからです。
たとえば、娘が妊娠したら手助けできるし、孫ができたら世話もできます。コミュニケーション能力も高いので、地域の潤滑油としても貢献できます。
ある調査によると、祖母が孫を世話しているときのほうが、祖父が孫を世話しているときよりも、孫の怪我をする割合が3分の1に減るそうです。