西が丘サッカー場は未来の日本代表が見られる場所

僕の実家は、西が丘サッカー場から徒歩10分にあります。

高校2年のときに、隣の豊島区から引っ越してきたのですが、これがなんとも最高の立地で、高校選手権や当時グループリーグと決勝トーナメントというW杯方式で行われていた高円宮杯。そして、大学サッカーの関東一部リーグなどが毎週末に行われていました。

そのほとんどが1日2試合開催なので、学生料金の500円で1日2試合を見ることができるのは、かなりありがたかったのです。部活終わりや受験勉強の息抜きによく訪れていました。

思えば、中学2年生にしてガンバ大阪ユースの左ウイングに君臨していた宇佐美貴史選手や、青森山田の天才・1年生10番の柴崎岳選手。原口元気選手、山田直輝選手らを擁した浦和レッズユース黄金期や、鹿児島城西高校の大迫勇也選手。

当時、プロ12人内定の流通経済大学や、伊東純也選手が独力でカウンターして獲得したコーナーキックを佐々木翔選手がヘディングで叩き込む神奈川大学。

雑誌でしか知らなかった未来の代表選手の多くを、この競技場で初めて目の当たりにしました。

しかし、上記の大会は高校選手権以外は西が丘で開催されることが減っていき、僕も実家を離れたため疎遠に。そんななか、西が丘サッカー場で明治大学vs筑波大学という、大学サッカー界のナショナルダービーが開催されるということで、久しぶりに行ってまいりました!!

大学サッカーというと、一昔前は毎節、各地のスタジアムで開催されていたものの、今は各大学のグラウンドで開催されることが増え、レベルに反して観客動員は全く上昇の兆しなし。

それでも時折、スタジアムで2試合同日開催がされるのですが、明治も筑波も今季リーグ戦の西が丘開催は、会場未決定の最終節を除けばこの一戦のみ。どちらも良いチームだけにもったいない。なのに、この試合もお客さんの入りはまずまずといったくらい。おそらくほぼ全員、将来のJリーガーなんですけどね。

僕としても当日券でふらっと入れるのはありがたいのですが、一方で『ハイレベルかつ青春!』な大学サッカーの魅力を伝えて、一度でもその魅力を現場で触れてもらえればと思います。

西が丘に11時に到着し、まずは駒澤大学vs関東学院大学を観戦。2試合見ても1試合見ても2000円なので、貧乏根性が発揮されます。そして、お気に入りの選手もたくさん見つけたので貧乏万歳!!

明治大学vs筑波大学 白熱の一戦!

さて、この日のメインカードです。

この試合の3日前に行われた天皇杯で、FC町田ゼルビアを倒したばかりの筑波大学。

そして、関東一部リーグで6勝1分。得失点差+22という優勝候補筆頭の明治大学。おそらく、Jリーグチームにも勝てる実力を備えていましたが、不運にも天皇杯初戦で筑波とぶつかり、負けてしまったリベンジに燃えているチームです。

〇「筑波大学×明治大学」天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会 1回戦 ハイライト

そんな背景もあり、明治優位かと思いきや

「天皇杯の下剋上後は体力的にはキツイけど、テンションがハイになっているから、むしろ走れちゃう」

という天皇杯経験者の言葉もあり、かなりの好ゲームが期待できます。

ここからは「その試合は見たい!」という友達が3人加わりました。1人は大学時代からの友達で横浜FCファンのタツヤ。そして上記の情報を教えてくれた下剋上経験者のマツオカ。

明治大時代に、天皇杯で当時J1のモンテディオ山形を3-0で倒した、大学サッカー史上最強の呼び声が高いチームの一員です。あと高校選手権決勝で、大迫勇也選手とマッチアップした広島皆実のキャプテンとしても同世代では有名。フットワーク軽めです。

もう1人はフロウ。こちらも同い年の元筑波大キャプテンで、世代別代表経験もあり。高校・大学時代の僕が西が丘で見ていた選手です。あとフットワーク軽め。贅沢!!

猛暑なので、コンビニへ避難しがてらハイボールと氷を買いに、そこでフロウに、

「天皇杯は出たことあるの?」

と聞いてみました。

「鹿島アントラーズに勝ったよ」

へー、そうなんだ。……!!!??

「ソニー仙台のときにね。マツオカが退場したんだよな」(2人はソニー仙台のチームメイト)

マツオカが答えます。

「77分ね。忘れもしない」

イカつい会話をしている……。

マツオカが続けます。

「ジュニーニョってブラジル人がいてさ。俺、触ってないのに倒れられてイエロー2枚目で退場。で、そっから3点とられて負けた」

「え? 勝ったでしょ?」

「退場した年は負けたよ。それ、別の年のアントラーズ戦だよ」

「え? そうだっけ?」

え? アントラーズに勝った試合、忘れかけることある?

そんで、アントラーズに勝った年と80分まで0-0だった年があるの?? なにこの人たち。拓殖大から1点とった記憶を、いまだに脳裏に焼き付けている僕とは違いすぎます。