幼少期から英才教育を受けていた!
それがどんどんエスカレートしていって、第2弾はついに盤面に穴が開いて玉がそこに落ちるようになります。オリジナルパチンコをパワーアップさせるためだけのために、親父がホームセンターでドリル買ってきたのを覚えてます。赤いドリルだったな。それで、穴に落ちた玉は、自動的に「〇点」って書かれたプールに自動的に排出されるようになるというバージョンアップっぷりでした。
父親が休みの日に玄関先で釘を打ち始めると、子供心に「あ、またお父さんが作ってる!!」って興奮したものですね。今でこそ禁煙しましたが、親父ももともとはタバコを吸う人間だったので、タバコをくわえながらベニヤに向かい合ってる親父が妙にカッコよく見えたものでした。
タバコが切れると作業がはかどらないからって、自動販売機におつかいに行かされたりしてね。完成が楽しみで嬉々としておつかいにいってたな。当時はまだキャスターが220円くらいだったんだよな。今はもう未成年の代理購入も無理ですけどね。
第3弾は究極の大きさになってて、もう縦のサイズが軽く1メートルはある巨大なものになり、ご丁寧に役物っぽい風車までついて登場しました。しかも、運良くその風車を通過して、いちばんポイントが高いポケットに玉が入ると、盤面に取り付けられたランプが付く!! っていった豪華な仕掛けまで搭載されたという。
もしかしたら親父は親父なりに、当時、めっちゃパチンコで負けてて、それが悔しくて、家でもなんとなく遊べるものを作って、自分で楽しみたかったのかもしれませんね。
当時の自分はまだ小学校低学年くらいだったと思いますが、それに実際に玉を転がしてみて、玉が予測不能な軌道を描いて盤面を転がり、点数の高いポケットとかに入賞したらキャッキャと喜んでいた記憶があります。純粋に、玉の動きが楽しかったんでしょうね。玉と、釘がぶつかるときに、チン、チン……って小気味良い音がしていたことを覚えています。
たぶん、僕とのパチンコの本当に最初の出会いって、この「親父特製オリジナルパチンコ」なんだと思います。
……なんてこった。幼少期から、英才教育、受けてたんだ。
って思うと、今、僕がこんなお仕事をさせてもらっているのも、もしかしたら『必然』なのかもしれませんね。
次回は、そもそも、『なぜ人はパチンコって楽しいって思うのか?』を、僕なりに考えてみたいと思います。